Aさんは40代男性で大動脈弁と僧帽弁の閉鎖不全症のため来院されました。
心不全がすでに発生しており、左室機能も低下していました。
そこで心臓手術ということになりました。
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大動脈弁はかなり肥厚硬化があり壊れ方が強いため弁形成には不向きと判断しました。自己心膜による大動脈弁再建術ならゆうゆうとやれるためこちらを選択しました。
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手術ではまずこの自己心膜大動脈再建(尾崎法)を行い、その際に大動脈弁経由で僧帽弁閉鎖不全症を直し左室機能をUpさせるため乳頭筋最適化手術(PHO)を行いました。これにより時間が節約でき患者さんの安全にも役立つのです。
術後経過は順調で、患者さんはまもなくお元気に退院して行かれました。
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自己心膜による大動脈弁形成術はこのように、弁形成が成り立たないときにバックアップとして十分役立つものと思います。
長期的な成績は未だ不明ですが、期待される方法です。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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