ミックス大動脈弁形成術、、患者さんの想い出2

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Bさんは10代前半の中学生です。検診で二尖弁の大動脈弁閉鎖不全症を指摘され米田正始の外来へ相談に来られました。

九州からお越し下さいました。

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中学生とは思えないほどしっかりした方で、病気を正面から、冷静に受け止め、今後の方針を一緒に考えてくれました。

そして外来で自らの判断で、手術を決心されました。

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若い女の子ですから、もちろん弁形成です。

これが成功すれば長期間の健康と学生時代・青春時代をワーファリンを考えることなくのびのび過ごせますし、将来の妊娠出産も普通にできるでしょう。

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こうした将来のある患者さんに対する大動脈弁形成術にちからを入れて来た私ですので、全力をあげて頑張りました。

この数年のノウハウの蓄積のおかげで、より精確な弁形成をより小さい見えにくい傷跡で行う自信がついていました。

そこでBさんには腋窩つまり脇の下からアプローチするMICSで大動脈弁形成術を行いました。これも経験の蓄積が大いに役立ちました。

最近のこの領域の成果を十分に取り入れて二尖弁をしっかりと嚙合わせるようにし、同時に楽に開くこともできるように工夫しました。

将来大動脈が拡張して瘤にならないよう、大動脈もしっかりと固定し守るようにしました。

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術後の心エコーでも弁はきれいに開閉し、逸脱はもはや解消し、逆流も無視できる程度で狭窄もありませんでした。心機能もすでに正常化していました。

傷跡もきれいで夏の水着になってもほとんど見えない程度になりました。Tシャツや夏服も自由に楽しんでいただけるでしょう。お母さんに、まあきれいな傷!と言って頂いたのがうれしかったものです。

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Bさんは術後もしっかりと言いつけを守り治療に協力してくださいました。病棟の看護師さんたちにも愛され敬意さえ持たれていました。

まもなくご両親とともに元気に退院して行かれました。

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Bさん、これから楽しく実りある青春時代をお過ごしください。また外来で元気なお顔を見せて下さい。ご両親様もお疲れ様でした。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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