バルサルバ洞瘤の破裂、、患者さんの想い出

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Aさんは30代女性でバルサルバ洞瘤破裂のため自宅近くの大学病院で手術を受けられました。

しかし修復されたはずのバルサルバ洞瘤はまもなく再破裂し、心不全症状が出て、私の外来へ来られました。私がこうした病気の手術で成果を上げているのをHPで見られたようです。

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調べてみますと、以前の患者さんと同様、他病院で修復した部位の近くが破れて血液が漏れ、もとのもくあみ状態になっていたのです。

そこで私たちが開発した方法で、組織がもっとしっかりした部位にパッチを縫着するようにしました。

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術後経過良好ですでに半年後の定期健診でも完全にバルサルバ洞瘤は治った状態で血液もまったく漏れていません。

一回目の手術から私たちのところへ来て頂ければ、創もかなり小さくなるのですが、2回目の手術から来られたため、すでに前回手術で大きな創が胸の真ん中についており、今回は以前の創と同じ場所に同じものをつけるにとどめました。

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ともあれバルサルバ洞瘤破裂はしばし再発の注意をしながら、熟練チームにお任せいただくのが良いでしょう。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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