お便り126 マルファン症候群・二尖弁大動脈基部拡張にデービッド手術でお元気に

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大動脈基部拡張症とくにマルファン症候群のように組織が弱い患者さんの場合、手術や治療の内容がその後の人生に大きな影響を与えます。中でも60歳以下の若い患者さんの場合は人工弁を使わないで元気になると言うことが大きな意味を持ちます。その一回の手術が人生を決める、そんなインパクトがあります。自己弁を温存する大動脈基部再建の手術はそう言う手術です。

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以下の患者さんは40代後半のマルファン症候群の方で、遠方の日本海側から来られました。自己弁温存する大動脈基部再建、いわゆるデービッド手術はできないと地元の心臓専門病院で言われて私の外来に来られたのでした。

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心エコーを拝見すると二尖弁っぽい大動脈弁でした。基部拡張が強く、逆流も重症の状態で、実際心不全が進行し、しかも基部の破裂や解離が間も無く起こる心配がある状態でした。

そこで予定をやりくりして早期手術することにしました。

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手術では、基部の大動脈壁が紙のように薄くペラペラとなり、周囲と癒着し、半ば破裂し始めている、そんな所見でした。急いで手術予定を組んで本当に良かった、間に合ったと言う状況でした。

恩師デービッドの方法に最近の大動脈弁形成術を組み合わせ、術前は超高度と言われた大動脈弁閉鎖不全症つまり弁逆流は止まりました。術前心不全のわりには術後経過は順調でお元気に地元に帰って行かれました。

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以下はその患者さんからのお礼状です。褒めすぎの部分は目をつぶって下さい。お互い人間です。患者さんは勇気を出して決意をされ、私たちは持てる技術を駆使して頑張った、そう言うことです。お役に立ててほんとうに嬉しいです。

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患者さんは間も無く体力がつき普通の生活や仕事に戻られることでしょう。仕事だけでなく旅行やスポーツなども楽しめるでしょう。外来でお元気なお姿を拝見するのが楽しみです。

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********** 患者さんからのお便り**********

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米田先生

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米田先生の神の手で、私の心臓を強く生まれ変わらせてもらい、また入院中は大変 お世話になりました。

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術後のあまりにも力強過ぎる脈動に圧倒されて、初めはとても恐くて正直 驚きました。
心臓だけが元気になり暴走し、その他の臓器や細胞や私自身も付いて行くのがやっとだなと感じてました。

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心臓の機能がかなり落ちてる心不全、いつ破裂するかも分からぬ危険性を聞かされて、心臓手術の選択肢しか残されていない私は気持ちも全然追い付かず、恐さと不安しかありませんでした。 数ある名医と呼ばれるお医者様の中から、この先生になら命を預けて間違いないと私は納得して米田先生を選びました。

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米田先生と出会い、接してもらいながら 患者思いの先生を見ているうちに、人の形をした神様っているんだな~って思うようになっていて、恐さや不安は何処へやら 。 この神様の手にかかったら 私はどうなるんだろう と逆に手術をするのがとても楽しみになってました。

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術後、調子の悪かった所が消えてしまっていて自分の身体がどれだけポンコツだったかを思い知りました。今も毎日が絶好調ではないですが、私の心臓は強く たくましくなったと確信していますので、不調な日でも心配や不安になる事はありません。

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毎日 心臓の脈動を感じながら、これは米田先生でなければ治せなかったものだったと思うと本当に ただただ感謝です。
傷痕も目立たないように工夫されてるのにも感動しています。

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先生はいつも忙しい方なので、この様なメールはお手間を取らせてしまうし遠慮しようかと思ってましたが….
やはりメールさせて頂きます、しかも長文でごめんなさい。

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本当に米田先生に出会えて良かったです、まだまだ これからもお世話になります 宜しくお願いします。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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