心房細動はさまざまな弁膜症とくに僧帽弁膜症に合併することが多い病気です。
その他では狭心症・心筋梗塞に代表される虚血性心疾患や拡張型心筋症、閉塞型肥厚性心筋症にもよく合併します。
成人先天性心疾患の中では心房中隔欠損症(ASD)に合併することが結構多いです。これは右心室・右心房が拡張するために起こります。
下記の患者さんはそうした心房中隔欠損症 ASDのため右心房などが拡張し心房細動となり、永い間に左心房まで拡張し、そこへ血栓ができ手術が危険と言われて九州から私の外来へ来られました。長年の喫煙のためタバコ肺になっていて手術に難があることと、すでに心房が巨大となり普通のメイズ手術では治せないためです。
もし巨大左房や血栓がなければW-O法などの比較的侵襲の少ない方法が良いのですが、この方の場合は心臓の中から治すべき病気がいくつもあったため、開心術になりました。
患者さんが40代とお若いこととご希望もあり、肺を守りつつMICSにて治すことにしました。
右胸の小さい創で、心房中隔を閉じ、巨大左房の中の血栓を取り除き、左房を小さくし、そのうえでメイズ手術を行いました。心房縮小メイズです。
心房細動は無事正常リズムにもどりました。肺が弱いため時間をかけ、良くなったところで退院されました。
以下はその患者さんからのお便りです。HPへのコメントとして頂きました。
簡略でもジーンと伝わるものがありました。
また外来でお元気なお顔を見せてください。
********* 患者さんからのお便り **********
私は米田先生に左心房の血栓除去と
左心房縮小メイズ手術を受け生き返る事が出来ました
他の病院では治せないと言われ落ち込んでいる時に
ネットで断らない大丈夫だから相談をと言う米田先生のブログを発見し連絡をした所、
優しく丁寧に相談などに対応して頂き、
力になれますよ、と言う先生の言葉に喜びで涙が止まりませんでした
手術をして頂き今日に至ります。
米田先生には感謝しかありません
本当に米田先生に出会えて良かったと思います。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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