インフルエンザが心配な季節がやって来ました
最近は新型のインフルエンザの出現も懸念されており、心臓や血管の手術を受けられた患者さんや、手術を受けていなくても心臓病をお持ちの患者さん、医療機関さらに社会全体としても注意が必要です。
一般的にはインフルエンザウイルスは熱には抵抗性が弱く、低温や乾燥には強いです。
そのため、お家ではなるべく加湿をして空気が乾き過ぎないようにするのが良いでしょう。外出時のマスクも同じ加湿効果があります。
抵抗力をつけるため栄養のバランスや適度な運動も欠かせません。満員電車やデパートなどの人ごみを避けるのが賢明です。ひとごみの中にゴホンゴホンと咳をしているひとがいれば、できるだけ距離をおくのが安全です。インフルエンザのウィルスは咳の中にいますから。
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そのようにできるだけインフルエンザをうつされないようにするのが一番ですが、
やはりどこからともなくインフルエンザはやって来ます。お子さんやお孫さんの学校からウィルスが来ることもよくありますし。
私たち医療者は患者さんにご迷惑をかけぬよう、積極的に予防接種を受けていますが、心臓手術後の患者さんにも予防接種は勧められます。
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以下にそのポイントをまとめます
1.毎年接種する必要があります。残念ですが以前の予防接種の効果はありません。
2.予防接種は1回で64%、2回で94%の予防効果があります。そのため抵抗力が弱い12歳以下や65歳以上では2回予防接種を受けることが勧められますが、一回でも大きなメリットはあります
3.体内に抗体ができるまで3-4週間かかるので、インフルエンザが流行する1月よりも前もって、なるべく12月中旬までに受けるのが効果的でしょう
インフルエンザウィルスはA,B,C型の3タイプがあり、
できるだけそのシーズンの流行を予測した内容の予防接種になっています。
約3000円あまりのお金がかかりますが、インフルエンザの予防接種は十分受ける意義のあることで、患者さんによっては命を救うという結果になることもあります。
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接種が安全上不適当と考えられるのは以下の方々です
1.明らかな発熱(通常は、37.5度を超える)
2.重篤な急性疾患
3.当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーショック(つまり強いアレルギー反応です)を呈したことが明らかな方
これらにつきましては予防接種を受ける病院や医院でご質問されると良いでしょう。
医師からも適宜確認されます。
定期健診などでお越しの心臓血管外科患者さんには、その際に希望を出して頂ければ健診や検査と併せて予防接種もいたしますので、お申し出ください。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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