最終更新日 2022年1月6日
1. 大動脈疾患について
大動脈疾患は高齢化や動脈硬化・高血圧の増加に伴い増えています。
とくに大動脈がこぶのように大きくなる大動脈瘤と大動脈の壁が内外に裂けて破裂する大動脈解離が多いです。
それぞれに対する適切な治療法がありますのでそれぞれの病気の内容を知っておくと役に立つでしょう。
とくに大動脈解離は一刻を争う事態ですので知っておかれるといざという時に命が助かります。
右図は心臓と大動脈の全体を示します。
6. 腹部大動脈瘤とは?
お腹の大動脈は壊れやすいのです
2. 市民公開講座から、大動脈の病気の解説です
ちょっとした知識がいのちを救うことがあります
3. 大動脈疾患の治療や手術について
大動脈疾患の治療法はこの数年間で大きく進化しました。
腹部大動脈瘤の手術はもちろん、弓部大動脈瘤や大動脈解離の手術を始め、従来型の手術の成績は改善しました。
さらに大動脈瘤の状態によってはカテーテルをもちいて内側から治すステントグラフトも大きく進歩しました。
また外科手術との併用(ハイブリッド治療)で患者さんの体への負担を減らすという方法もあります。下記の新しい治療法のページとともにご覧下さい。
1. 弓部大動脈瘤の手術について
心臓血管外科領域では比較的大きな手術に属しますが、熟練チームであれば比較的短時間で、かつ安全に手術できるようになりました。
ただし他の病気を合併しているとき、とくに脳梗塞や腎不全があれば、それらに対する十分な対策が必要です。
3. 下行大動脈瘤の手術や治療について
下行大動脈瘤にはお薬からステントグラフトさらに手術まで、その状況に合わせて、なるべく優しい治療法を選びます
4. 腹部大動脈瘤の手術について
手術の完成度が高く安全な手術になりました。
さらにステントグラフト(EVAR、いーばー)というカテーテルで入れる折りたたみ人工血管治療が使えるケースも増え、患者さんの状態や年齢・体力に応じて最適なものが選べます
6. 大動脈解離の手術はどのようにするのですか
上行大動脈がらみの場合は手術しないとまもなく死亡することが多いため原則として緊急手術となります。
上行大動脈、場合によっては弓部大動脈を人工血管で置換します。
7. 大動脈基部拡張症の手術はこちらをご覧ください
弁が壊れていなければデービット手術またはヤクー手術という自己弁温存手術が、弁が壊れていればベントール手術(ベンタール手術)という人工弁付きの手術などを行います。
予防策や早期発見・早期治療が安全のために重要です。
最近のEBM(証拠にもとづく医療)、ガイドラインでも従来より一回り小さい間に治すことが勧められています。
8. マルファン症候群について
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日本マルファン協会での講演と質疑応答 2010年8月
さまざまな悩みや質問にお答えしました
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大動脈瘤と同症候群について
大動脈瘤と同症候群について(大動脈解離)
大動脈瘤と同症候群について(心臓弁膜症)
大動脈瘤と同症候群について(心房細動について)
ステントグラフトについて
緊急治療・救急について
セカンドオピニオンについて
その他(同講演から)
4. 大動脈疾患、やや新しい治療法について
大動脈疾患の治療成績は今後ますます改善が期待されます。その中の主要部分を占めると考えられるのが次の治療法です。
1. ステントグラフトはどのように役立つのですか
新しい治療法で適切に使えば有用です。
5. その他、大切なこと
大動脈疾患も油断なく、しかし無用に恐れることなく、正面から問題と向き合い、医師・医療者と患者さん・ご家族のチームで的確な治療を行えば、その多くが助かる時代になりました。
以下にその実際を解説します。
難病と言われて来た大動脈炎症候群(高安病)の患者さんの治療成績もかなり改善しています。
6. 病診連携の講演会(医療者向け)から
平成25年10月に奈良市で行われた米田正始の講演会から。
大動脈疾患の手術を解説します。タイミングさえはずさなければ急性大動脈解離や弓部大動脈瘤は安全に治せる病気になりました。腹部大動脈瘤はより安全に、しばしば切らずに治せます。これらの進歩を解説します。
音がやや小さいため、ボリュームをあげてご覧ください。ご要望にお応えし字幕をつけました。
医療者の方々向けです。一般の皆様にはちかぢか一般向けを予定しています。
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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