心房中隔欠損症(ASD)が長年の経過の中で高度の肺高血圧(70mmHg)を合併し、
さらにはうっ血肝、血小板減少症まで併発した危険な状態となりました。
しかも肺が悪く、肺活量も健康人の40%という状態でした。
心房中隔欠損症そのものは心臓手術のなかでも一番簡単な部類に入りますが、何しろいくつもの病気を合併して全身が衰弱しておられ、
他病院やセンターでも手術はできないと言われ、患者さんの息子さんからご相談を受けました。
相談の結果、手術可能と判断し、遠路ハートセンターまでご来院いただき、
手術施行、心臓リハビリも皆で頑張り、心不全や不整脈も治り元気に退院して行かれました。
手術は心房中隔欠損症(ASD)パッチ閉鎖術、両心房メイズ手術、三尖弁形成術、左心耳閉鎖と右房縫縮でした。
以下はその息子さんからのメールの抜粋です。お許しを得て掲載します。
息子さんは優れた内科医で、ご相談の中で私たちの方こそ、いろいろと勉強させて戴いたほどの方ですので、
以下のメールにはかなり謙遜された部分もあることを申し添えます。
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米田副院長先生御侍史
この度は、先生には所謂、「神の手」の力により私の母の余命を伸ばして下さり、
心より感謝申し上げる次第です。
**日19時頃、無事鹿児島に帰宅致しました。
先生始め、心外科各Dr.及び病棟staffの皆様には、術前中後、そして本日の退院に至るまで、大変お世話になりました。
(臨床所見やデータ、中略)
先生から戴いた生まれ変わった母の命を大事にして参りたいと存じます。
先生ともなれば、私のような田舎の町医者とは違い、患者さんの為に大変ご多忙でprivacyの少ない時間を御過ごしの御様子。
同じ?医師でありながら、ゴルフに興じていた自分を恥じる契機ともなり、又、私とは技量のレベルの違いを痛感したこの6週間でもありました。
*月** 日には、先生の外来に必ずや受診に参りますので、その節は、何卒、宜しくお願い申し上げます。
H21年5月30日
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米田副院長先生御侍史
先生のお力によって母の余命への絶望を希望に変えて下さり、心より感謝申し上げている処です。
私にとって、先生の様なスーパーDr.とこのようにmailや直接TELでにてお話しさせて戴くことは、恐れ多く大変有り難いことと感謝致しております。
さて、母ですが、基礎疾患により次第に体力が衰えてきていた状態での、今回の大手術でしたので、
術後の体力低下に加えて、腰痛等整形外科的症状や術創の痛みも時々あり、
未だ外出できるほどにはなっていませんが、徐々に可能になって行くもの思われます。
そして、きっと、「やはりあの時、思い切って名古屋まで行って先生の‘神の手’で手術して戴いてよかった」と実感できる日々が来るはずだと考えております。
というのも、先日、当方で検査をしてみたところ、(中略)、、と、うっ血性肝障害及び心不全の改善が診られている故です。
今後さらに、改善されるものと期待されます。
先生のお力のおかげだと改めて感謝申し上げているところです。
*月**日は、当院休診日を少しでも減らす(何しろ‘不況’なもので)為、日帰りとなりそうですが、
先生に元気になった母を御見せできること並びに先生に再度お会いできますことをお約束し又楽しみに致しております。
その節は、何卒宜しくお願い申し上げます。
H 21年6月8日
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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naru says
実家が九州なので、鹿児島!の文字がまず目に留まり拝読致しました。お母さんへの思いが伝わり熱いものがこみ上げます。ご高齢で遠方からというのは本当にご苦労があった事でしょう。
私も同じく米田先生にお世話になりましたが先生方のご奮闘により実際の心臓と心の元気も頂きました。
病気そのものには現実的に対処する訳ですがその過程で、貴重な何かを見出せるのは幸福な事ですね。素敵なお気持ちを本当に有難うございました。