お便り10 オフポンプ冠動脈バイパス手術の患者さん

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Suzuran_b患者さんは大阪在住の77歳男性で、

以前から慢性腎不全のために血液透析を近くの透析クリニックで受けておられました。

ところが長年の透析の経過の中で狭心症を合併され、そのために十分な透析ができなくなり、

このままでは危険な状態になるという段階でご家族から米田正始へメール連絡がありました。

 

すでに状態もあまり良くなく、手術にもリスクがある、カテーテル治療も難しいということで、患者さんやご家族もどうしたら良いかわからない状態でした。

相談の結果、オフポンプ冠動脈バイパス手術 (オフポンプCABG、略称OPCAB)可能と判断し、ハートセンターまでご来院いただきました。

オフポンプ冠動脈バイパス手術(OPCAB)は順調に完了、術後経過も良好で手術8日目にお元気で退院されました。

手術後は透析で水を引いても狭心症もなく、心臓は安定するようになりました。

 

以下はその患者さんのご家族からの感謝のメールです。2通あります。

 

********7月5日のメールです*************************************

米田先生

メールにて失礼いたします。 このたびは父**が大変お世話になりました。昨日退院させていただき、その足で大阪へ帰宅いたしました。

入院に際しては 直接先生よりメール電話をいただき、詳しくお話を伺うことができ、また入院中は何度も病室へ来ていただいたこと 両親とともに喜んでおります。

お忙しい先生が何度も尋ねてくださり、時間をとっていただいて詳しくお話を伺うことが出来たことが手術を受ける決心へとつながったと思っています。 手術は怖いもの、出来ればしないで済めば・・と考えていた父も母も詳しく説明をしてくださったことで病気についてよく理解し安心してお任せする事ができたと言っておりました。

私も自分自身も含め子どもや夫の母の手術に立ち会ってきましたが、今回のように心が平安のうちに手術を受けいれることが出来たことはなかったように思います。本当にありがとうございました。

昨日の退院は思っていたよりもずっと早かったものですから、父も不安があったようです。**(娘さん宅)で1‐2日ゆっくりしてから帰るように勧めたのですが、退院と決まったら少しでも早く大阪に帰りたかったようでそのまま名古屋駅へと送りました。近鉄特急とタクシーで自宅まで帰るのは大丈夫かな?と心配しましたが、無事に着いたから・との電話の声は思ったより元気そうで安心しました。

米田先生より**病院の先生も紹介いただけるとのことで安心して帰ることができたようです。 親身な治療、対応をありがとうございました。

ハートセンターの皆様にも大変お世話になりました。看護師さんにはいつも笑顔で接していただきました。無理をお願いしていたのでは?という事にも丁寧に対応して頂き感謝しています。受付、検査室、食事をはこんで下さる職員のかた・・どこへいっても気持ちよい対応をしてくださり、患者や家族として大変慰められました。

また深谷先生、北村先生、小山先生には毎日揃って回診に来ていただき励ましていただいたと喜んでいました。

これだけの先生方が揃って担当してくださり手術にも診察にも関わってくださるのは貴センターならではの医療に対する姿勢だと感じました。患者の立場に立った体制で治療にあたってくださっていると両親、娘である私たち姉妹、そして私たちの家族、それぞれが強く感じています。

皆様おひとりおひとりにご挨拶とお礼をもうしあげるべきですが、昨日はお目にかかれないままに失礼いたしました。 どうぞ皆様によろしくお伝えください

また今後も診察に伺いたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。

心より感謝して・・      7月5日

 

********7月5日のメール続編です*************************************

ハートセンター
米田先生

お忙しい中、すぐにお返事を頂き恐縮いたしております
(中略)
次回診察の件についてもハートセンターさんよりお電話を頂き7月29日(水)にうかがうことになりました。
また よろしくお願いいたします。

メールの掲載の件、お役に立てるのでしたら幸いです。 私たちとしては今まで全く存じ上げなかった先生、病院でしたのにメールやお電話を通してここまで信頼してお任せできたことを感謝しています。

手術(註: オフポンプ冠動脈バイパス手術)で執刀してくださる先生から直接説明を聞き、病状やどのような手術をするのか、またそれが どうして良いのか、ということを知識のない患者に対してわかりやすい言葉で説明していただけたことが決心につながったと思います。

顔が見える治療と言うのでしょうか、チームを組んで治療にあたってくださった深谷先生、小山先生が米田先生とのお話の後、私たちを捜してくださっていて談話室で親しくお話をしてくださり、その日は勤務しておられなかった北村先生も次の日病室まで来てくださったと聞きました。このことでお会いしたばかりの先生方への信頼も深まり、治療をしていただくならここで、という気持ちになったようです。

今まで診察を受けていたところと診断としては同じで、バイパス手術を受けることを勧められていたのも同じです。
説明で違っていたのは心臓を止めなければ十分な治療が出来ないというところだったと思います。そのために手術の時間は7~8時間とのことでこの点が父や母の不安を大きくしていたように思います。 

高齢になって理解が遅くなってきていますので、説明をするのは大変なことだと思います。説明を聞いてもよくわからないことばかりで、何を質問すればよいのかもわからなかった・・と言っていました。手術の安全性を尋ねても「やってみなければわからない」という話しだったそうで、決心がつかないまま2~3ヶ月がたってしまっていました。

初めて米田先生にお話させていただいた際、親身になってお話し頂き、また心臓を止めない方法も可能であることがわかった時 道が開けたという気持ちになりました。今にして思えばあっという間に過ぎた10日あまりの日々でした。

今後もわからないことが出てきましたらお尋ねさせていただきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

先生のお働きが一人でも多くの尊い命に関わってくださいますよう心よりお祈りいたします。 ありがとうございました。

7月5日

******** さらにメール続編です *************************************

米田 正始先生

退院から明日で一週間になります。

手術を受けたのが二週間前だとは信じられないような気がします。 電話での声も少しずつ元気になってきているように思います。

昨日 実家近くに住んでいる妹から連絡があり、ひと月ほど前には半ば投げやりな気持ちになっていた父から、元気になったら美味しいものを食べに行こうとか、どこかへ遊びに行こうという言葉が出るようになってきたと言っていました。

前向きに生きようという気持ちになってくれたことがとても嬉しく、先生にくれぐれもよろしくとのことでした。(中略)

これからもお世話になりますが よろしくお願いします。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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