お便り 18: 閉塞性動脈硬化症(ASO)の患者さん

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動脈硬化症は全身の病気ですので体の複数の場所がやられることがよくあります。

たとえば下肢の血管が動脈硬化で閉塞し( ASO 閉塞性動脈硬化症 と呼ぶ病気です)痛みのために歩けない患者さんが、

心臓の血管(冠動脈)にも同様の病気(冠動脈疾患)をもっておられることはしばしばあります。

 

下記の患者さんは近くの大きな病院でも下肢の手術はできないと言われてハートセンターへ来られました。

血管をよく調べると、これは行ける!と判断できたため、手術前検査を行ったところ、心臓にも強い病気が見Ring_l1つかりました。

閉塞性動脈硬化症ASOのため下肢が悪く歩けず、心臓の症状が隠れていたわけです。

 

そこで安全のためまず心臓を手術で治し、ついでゆとりをもって下肢の血管を手術で治しました。

なお心臓の主治医の先生がこの患者さんの場合は、

カテーテル治療(こうしたケースでは何度も治療が必要になったり強い薬が長期間欠かせないため他治療に支障が出ます)よりも

一発で治せる手術のほうが良いでしょうと判断して下さり、

心臓のオフポンプバイパス手術下肢動脈バイパス手術2つは外科手術で行い、もう少しお腹側の血管はカテーテル治療(ステント)で当院内科の先生にお願いしました。

 

長い間、さまざまな病気と闘って来られた方だけに、今回は喜びもひとしおで、下記の感謝状を送って下さいました。

他の患者さんにも参考になればと、ある程度説明も入れて下さいました。

決意と努力で永い闘病生活に打ち勝たれたこと、本当に感嘆いたしますし、嬉しく思います。

これからはうんと楽しんで戴きたく思います。

 

それからお便りの次にあるのは患者さんの息子さんからの感謝のメールです。

いずれもご本人さまのお許しを得て掲載させて頂きます。

***********患者さんからのお便りです************

米田正始先生様


北村英樹、深谷俊介、小山裕先生及び病棟スタッフの皆様へ

 

この度は私の余命を伸ばして頂き更には入院中は親身になった治療と介護を賜り心より感謝を申し上げる次第です。

以後は出来る限りの運動を重ね更に健全な歩行が出来るよう努力する所存です。


H21/11/15             ****

 

”私は心筋梗塞寸前への冠動脈バイパス手術と併せて長年苦労した下肢の慢性閉塞性動脈硬化症のバイパス手術を受けました!”

 

私は名古屋在住の76歳の男性です、H9/9に近くの総合病院で膵臓がんの開腹手術後(その後H13/8大腸がん開腹手術、H15/1前立腺がんの薬物治療開始)健康維持のため散歩を奨められました。

しかしH15/4頃散歩時に歩行障害を感じその病院の整形外科で脊柱間狭窄症との診断で治療を続けましたが何等改善しませんでした。

 

H18/11に他の総合病院の血管外科を紹介され診断の結果、右下肢の腸骨動脈が7㎝程閉塞(石灰化)が判り過去の手術歴から手術治療が出来ず、

所謂側副血管の発達を促す運動療法にて間歇跛行での運動を続けてきました

(その後毎年1回同血管外科の血流診断も受けていました)。

ところが本年始め頃より両足の痺れ・疼痛感・脱力感が激しくなり、7月頃には「閉塞性動脈硬化症ASOの第6度?」と思って先行きに困惑し生活に自身をなくしていました。

 

9月末に息子よりハ-トセンタ-の存在を知らされ、米田正始先生の「心臓外科手術情報WEB」を閲覧後、メ-ルにて米田先生宛9/29「再生治療法bFGF」の治療法の進展状況と私の現状を説明治療を望む旨連絡の処、

直ちに当日先生より「ハ-トセンタ-へ来院すれば状況を把握し、どういう治療が必要か、あるいは必要な場合は方針を立てることができる・・・」返信があり、翌日℡にて10/1にスーパードクター米田先生の診断を受けることとなりました。

診断当日諸検査後に先生は私のような下肢の疾患者は心臓の動脈疾患者が多く、当日出来なかった心臓の造影CTを10/6に造影カテ-テル画像で検査診断となり、

その結果先生の予告通り心臓の冠動脈の狭窄が判り狭心症の発作寸前の状況で先ず冠動脈のバイパス手術を先に実施し、

その後回復状況を見て下肢のバイパス手術の方針が決りました。

 

入院は10/9で、冠動脈のバイパス手術は10/14その後の経過も良く10/30に下肢のバイパス手術となり
11/13には退院の運びとなりました。

この間米田先生は親身になって説明と手配をされ更には入院前の1日に私のその後のアフタ-治療の手配までされ全く頭の下がる思いです。

 

ハ-トセンタ-と米田正始先生とその諸先生並びに病棟スタッフの皆様の細かい気配りと看護は忘れることが出来ません、有難うございました、

皆さんと出合った私は幸せものです。


なお、私の下肢のバイパス手術は左大腿動脈-右大腿動脈、左大腿動脈-左膝動脈の人工血管の手術と左腸骨動脈へのカテーテル治療で他の病院での血管外科手術では余り見られないと言われます。

 

最後に諸外国の様に日本の医学も益々発展して一人でも多くの人命が救われることが出来る時代になることを祈ります。

 

**************以下は患者さんの息子さんからのお便りです。

お褒めのお言葉はまだ修業中を自認する私にはお恥ずかしいのですが、喜んで戴けたことをうれしく思い、そのまま掲載させて頂きます

************

米田副院長先生御侍史Hana_1

この度は先生の「ゴッドハンド」のおかげで父に生きる希望を与えてくださいありがとうございました。家族、親族一同、心より感謝しております。

 

父は10年以上前に延命率のかなり低いといわれる膵臓癌を患い、転移による手術とホルモン療法を経て元気に暮らしていたのですが、

今年に入り、動脈硬化による足の激痛が進行しかかりつけの病院とそこから紹介していただいた病院での診察では手立てはないと言われ精神的なショックも相まって生きる希望を失いかけていました。

 

そんな中、私の会社の同僚からハートセンターの評判をお聞きして藁をもつかむ思いで父に勧めてみたのがきっかけです。

何の紹介もなく突然のお願いに対し快く、しかも迅速にご対応くださったおかげで、父の笑顔をみることができました。

 

心臓の冠動脈バイパス手術の回復はめざましいものがありましたが、引き続きの腹部大動脈のバイパス手術を施していただいて1週間経過しましたが、

院内を朝 2回、昼 6回、夕方6 回と巡回できるほどになっており驚いているところです。

明日からは階段歩行もするとはりきっておりました。

 

退院もあと1週間ほどのようで、痛みのない状態で歩けること、そして長く連れ添った母と一緒に”普通に”暮らしができる、孫達と遊んだり食事に行けることなど新たな希望を胸に抱いている様子です。


まだ退院前ですが、今日の父の様子を見て感謝の意をどうしても伝えたくメールさせていただきました。

 

私は1製薬企業に勤めており、友人を含めて多くのドクターにお会いする機会がありますが、

飛び抜けた技術と経験を持たれているだけでなく、先生のように患者目線で献身的、人間味のあるドクターにお会いしたことがありませんでした。


私には高1の息子がおりますが、人としての生き方について議論する機会をもち「将来どんな職業についたとしても米田先生のような人を目指しなさい。」と伝えました。

医学の発展に向けて日々研鑽され激務のご様子ですが、お体には気をつけてご活躍ください。会社でも先生とハートセンターの評判を広めております
^<^)

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2009年11月**日

******あれから一年が経ちました。またメールを戴きました。*****

米田正始先生、他血管外科諸先生様、御侍史

早いもので沢山の病歴を持つ私の手術「狭心症・心筋梗塞寸前の心臓のオフポンプ冠動脈 伊藤富夫さんからのメール バイバス、

更には長年苦労した下肢の閉塞性動脈硬化症(ASO、両足)のバイバス手術とカテ-テル治療(ステント)」後一年が経ちました。

 

先日(10/12)の北村先生の再診(造影CT,心電図、X腺、血液検査)の結果は良好で次回の再診は一年後とのことで安堵しました。

 

この間再診の都度私の為にご多忙な時間をご丁寧な説明とご指導を頂き厚く御礼申し上げます。

次回一年後の再診に向かって健康に留意して、朝夕の散歩と家の中でのリハビリ-に専念して一日一日を大切に過ごす所存です。



向寒の折、諸先生とチ-ムご一同様のご健勝と、併せてハ-トセンタ-の発展と地域医療への貢献に尽力されて一人でも多くの人命が救われますよう望む者です。


先ずは、御礼まで。


平成22年10月29日

 

心臓手術と血管手術から丸3年が経ちました。

外来でお元気なお姿を拝見するたびにうれしく思っています。

手術から3年後の定期健診の外来のあと、つぎのメールを下さいました

 

*****術後3年経ってから戴いたメール*****

米田正始先生他血管外科諸先生 御侍史

拝啓 菊花薫るこの頃爽やかな候となりました。

 
早いもので沢山の病歴を持つ私の手術後早や3年が経ちました、先日(10/23)北村先生の術後の診察を受けました。検査の総て良好でした!

 
この後、第1腰椎の圧迫骨折、急性腎盂腎炎で1か月程入院しましたが、米田先生他諸先生はじめ看護師の方々のお蔭で今日を迎えることが出来ました事、改めて厚く御礼申し上げます。

以後も散歩と家の中でのリハビリに日々頑張ってまいります。

向寒の折、諸先生ご一同様のご健勝と併せて名古屋ハ-トセンタ-の益々のご発展と一人でも多くの人命が救われます様望みます。

先ずは、御礼まで。 次回4年後の診察を祈る者です。

   平成24年10月28日

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あれから1年ちかくが経ちました。

人間は誰でもある程度の年齢になると体のあちこちが弱り、その都度きちんと治して元気を取り戻すという作業が必要になりがちです。

しかしクルマでも何でも、長年使ったものは、多少とも消耗し壊れるのが世の常で、治せる部品はしっかり治してまた元気に動くというのが良いと思います。

この患者さんももともとのASO(閉塞性動脈硬化症)はまずまず良好に安定していましたが、脊椎つまり背骨のけがから調子が悪く歩けなくなられました。

そこで畏友でもある整形外科医をご紹介し、うまく治療をしていただき、またお元気な生活を回復されました。以下はその患者さんの息子さんからのお便りです。

こうした私のノウハウや人脈が患者さんのお役に立つというのは大変うれしいことです。これからもどしどし応援して行きたいものです。

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米田先生 御侍史、


父(****)がいつもお世話になっております。


父が先生のオペによりほぼ健康な暮らしができるようになるまで回復した後に本人の不注意から腰の骨折を患ったことがきっかけで足のしびれが徐々にひどくなり歩行が困難になってきておりました。

今年のハートセンターでの定期健診の時期を早めていただき、米田先生にお会いする機会をいただきました。

これまで薬や注射で痛みを軽減する治療ではなく、先端治療のセメント療法を薦めていただいた上に先生自ら、その領域でのスーパードクターの医療機関に紹介とお口添えをいただいき、本人はもう一度オペをすることにチャンレンジしてみようと思ったそうです。

オペの結果、1泊で退院でき、足の痛みもすっかり消え、
ハートセンター退院時ほどではありませんが、少し歩行できるようになったと母と一緒に大喜びしておりました。

またしても米田先生に助けていただいたので、ゆっくりとリハビリをしながら歩行距離を伸ばいきたいと父の心が前向きになったようです。

本当にありがとうございました。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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