世の中は不況続きで大変ですが、ちょっと眼と心をなごませてくれるものもあります。
これまでいかにして心臓手術や治療の成績を良くするか、
どのようにして死にそうな患者さんを元気にするかだけ考えて毎日を過ごして来ましたが、
大学病院を去って雑用が減り、その分趣味の写真を復活させてから、周囲の美しいものに気づくようになりました。
ライアップやイルミネーションはその例です。
紅葉の季節にライトアップがされるようになったのは比較的最近のようですが、
そういうものがあると聞き、カメラを持って行ってみたところ随分美しいのでやみつきになってしましました。
といっても時間がそうあるわけではないので、ちょっと時間ができたらクルマかタクシーでハシゴして集中的に行くだけですが。
この秋に京都で将軍塚、宝泉院、青蓮院、岩倉実相院や詩仙堂、永観堂などを夜行ってみました。
ライトアップをする方もよく考えてくれているようで、ちょうど一番きれいに色づいた木に光が当たるようになっています。
ライトアップの紅葉が美しいのはそのためでしょう。
加えて、時間があまり取れない者には天気に左右されないのもうれしいですね。
さらにちょっと技術的には反射光だけでなく透過光でも撮れるというのは葉の本来の美しさが出て最高です。
それやこれやでちょっと立ち寄っただけでもかなり良いコンディションで写真が撮れます。
そのうちにこのHPの写真ギャラリ―にUpするつもりですが、あまり良いことばかり書いていると、最高のコンディションの割には作品はいまいちと言われそうなのでこのぐらいにしておきます。
ともあれ夜にも皆で紅葉を楽しめるのは楽しいことです。
入場料(拝観料)はおよそ500円ほどですが、あまり惜しいとは思いません。
皆でこの美しいプロジェクトを支えあっているという気持ちになります。
寺院によってはやや前衛的な光のアートをコンピュータ操作で演出してくれるところもあり、京都のお寺も現代化したなあと感心します。
もうひとつの話題、イルミネーションは冬の寒い中でも大勢の人たちが集まって楽しいものです。
こちらもコンピュータ制御で光の祭典という雰囲気で凝ったものが増えました。
神戸のルミナリエや東京の表参道へ行く時間がないため、たまたま大阪で学会があったのを良いことに、「光のルネサンス」の写真を撮って来ました。
人々の賑わいそのものが格好のテーマと思うため、写真の材料に事欠きません。
中国やタイ、ベトナムその他アジアへ心臓手術や講演でちょくちょく行くのですが、いつも思うのはアジアの人たちはなぜあんなに元気なのかということです。
夜中遅くまで大勢の人たちとくに若者が街に出て食べて飲んで話して、明け方になってもまだやっている。
明日は祭日かいと聞くと普通の日と答えられてまた驚く。
翌日早朝に同じ道を通るとまだ飲んでる。
同じ人たちかどうか判りませんがすごいエネルギーです。
あの元気さと比べると日本の雰囲気はどこか疲れているような、ある意味退廃的なものさえ感じることがあります。
真冬のイルミネーションに大勢の人たちが集まって楽しそうにやっているのを見てどこかほっとしました。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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