2010年1月18日 初煎会にて

Pocket

この17日に京都で初煎会に行ってきました(関係の皆さま、ご招待ありがとうございます)。煎茶の初釜の会方円流です で、煎茶道方円流の水口豊園家元の主催で(写真右)、京都らしい雰囲気でした。

高台寺はじめいくつかの有名なお寺の高僧や山田京都府知事さんはじめ地元関係の政治家も参加され、伝統文化の行事と選挙の年が合わさった雰囲気も感じられました。しかしお茶というのはおごそかな心地良い緊張感とともにどこかなごむところもあり、和気藹々とした雰囲気で会は進められました。

高僧のお話で、お茶を単なる飲み物から精神文化へと発展させたのは東洋のユニークな努力の結晶とのことで、確かに単なる飲み物や楽しみとはずいぶん違う、文化の香りをあらためて感じます。あの秀吉はじめ戦国武将らもそれにはまってしまう魅力が現代にも通用するのはうなづけることです。

今回は台湾の煎茶の会の人たちが数名参加され、お茶を入れて下さいました(写真下)。台湾でもお茶は人気があるそうで、来年は国際交流の会が台湾で催されるとのこと、良いことですね。

私は講演や学会で台湾へは2回ほどお邪魔させて頂いたことがあります。何となくその場の空気が暖かい、台湾は亜熱帯だからというだけでなく、日本が好きという空気を感じます。そこで何人かの若者台湾の煎茶の人たちがお茶を入れて下さいましたに聞いてみました。君らはお金を貯めて何につかいたいの?すると彼ら(彼女ら)は異口同音に「日本に遊びに行きたい」と。うれしい一瞬でした。

さらに案内の方が、あそこに見えるクラシックな建物は昔日本が私たちのために建ててくれた病院です。今も大切に保存しています、と。日本はアジアでかなり悪さをしていたと恐縮していた私には驚きで、昔の日本も国によっては愛されることもしていたのだとうれしくなりました。中国大陸や朝鮮半島でも同様にしておけば良かったのにとふと思うのは私だけではないようです。

話が脱線しましたが、煎茶の会はお抹茶の会よりもややカジュアルな雰囲気があり、こうした会も文化とコミュニケーションの場として貴重と思いました。せっかくですので、来賓の中で将来の日本の政治を担ってくれそうな若手政治家に医療崩壊の現場のお話をちらっとさせて頂き、国民は医療の回復を切望していますとご説明したところ、積極的なご意見を戴き、ちょっと報われたような気になりました。僭越ながら例のお話、毎年2200億円の医療費等を5年間も削られたそのダメージの大きさもあらためてお伝えしてしまいました。

お茶はからだに良いというのは広く知られていますが、具体的にどのように良いか、意外に皆さんご存じありません。私はかつて京都大学で緑茶ポリフェノールが心臓の手術や治療に役立つことを動物実験で証明し、アメリカ等で発表したことがあります。昔の人たちは科学的証明手段は持たずとも、経験や直感でそれを知っておられたのは見事と思います。

楽しい文化的雰囲気の中で飲むお茶の味はまた格別という気持ちにさせてくれた一日でした(お世話して下さった松岡さんに感謝!)。

 

ブログのトップページへもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。