サルコイドーシスは肺、眼、皮膚、心臓はじめ全身のさまざまな臓器を侵す難病です。
サルコイドーシス友の会はこの難病に立ち向かい克服すべく設立された会です。
私(米田正始)はたまたま京都大学在職中に、
サルコイドーシスの世界的権威であられる泉孝英先生や長井苑子先生らと交流があったご縁で、
心臓サルコイドーシスの手術を何例も経験でき、ノウハウの蓄積ができました。
そのご縁もあってリンク集にも掲載して戴いております。
サルコイド心の場合は房室ブロックに代表される不整脈が多いのですが、
心臓とくに左心室が障害を受けて瘤化(壁が薄くなりこぶのように膨らみます)したり心筋症(左室全体の動きが弱くなります)になることがあります。
とくに瘤化は、それが心臓に大きな負担となる場合、たとえば左心室が拡張したり弁が逆流したりする場合、手術たとえば左室形成術や僧帽弁形成術によって改善できることが多々あります。
不整脈に対しては循環器内科と協力してペースメーカーやICDなどを検討することもあります。
その経験や成果の一部を論文として海外のジャーナルでも発表しています。
サルコイドーシス友の会の患者さんたちが、ご自分の病気や各内臓の状態を把握され、
的確な健診や治療を受けられれば今後の見通しは明るいと思います。
そのために友の会の活動は大変意義あることと思います。
病気の原因が次第に解明されつつあり、
今後サルコイドーシスは予防できる病気になって行くでしょうから、
すでに起こってしまった二次的病変さえ治せばまずまず良好な状態で暮らせる、
そういう時代が近いと思います。
質問1:サルコイド心に手術というのはあまり聞いたことがありませんが?
回答1:これまでの心臓手術はバイパスを付けるか、弁を治すか、血管を付け替えるかなどが中心でした。
いずれも心臓の筋肉そのものを治さないものでした。
しかし拡張型心筋症や心筋梗塞後の虚血性心筋症に対する左室形成術や、左室がゆがむための僧帽弁閉鎖不全症の弁形成手術のノウハウの蓄積から、
サルコイド心にも治せるものが増えました。
ただしそれは心不全の手術をたくさん行っているチームに限ってのことです。
そのため、一般にはサルコイド心は薬でそっとしておくという考えが多かったのです。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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