「はてなブックマークニュース」に次のような興味深い記事が載っていました。抜粋を示しますと、
フィンランドは教育先進国で、学習到達度調査(PISA)において、毎回上位にランクインし「学力世界一」と言われる国です。そのフィンランドの小学生が考えた「ルール」が、今話題になっているそうです。
『図解 フィンランド・メソッド入門』という本があります。この中でフィンランドの小学5年生が 作ったとされる10個の「議論のルール」が紹介されているそうです。
1. 他人の発言をさえぎらない
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない
4. わからないことがあったら、すぐに質問する
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る
6. 話を聞くときは、他のことをしない
7. 最後まで、きちんと話を聞く
8. 議論が台無しになるようなことを言わない
9. どのような意見であっても、間違いと決めつけない
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない
これらのルールに背くと、「ルール違反しているよ」と注意されるそうです。
このルールを拝見し、私は反省することしきりでした。周囲の人たちにも是非参考にして頂きたく、このブログにも掲載しました。
私の乏しい経験の中では、大学教授とくに功なり名を遂げた名誉教授レベルの先生方は、含蓄ある話をして下さる方が多い半面、7.ができない方が散見されるように思います。こうした方々はある意味、優秀すぎて凡人の話は結論まで予知できていて、ゆっくり聴くのが苦痛なのでしょうか。
実力派で腕に覚えのあるインテリは1.の問題が見られることがあります。賢い女性で2.のお付き合いをさせられ苦しかった覚えがあります。例外だとよいのですが。
5.はシャイな日本人ではありがちではないでしょうか。恋愛ドラマでも大事な話をお互い反対方向を見ながら真剣に論じているシーンは欧米人には奇異に感じるのではと思ったことがあります。
熱血漢で自力で何でも切り拓いて来た創業者タイプの方では9.逸脱のパタンが時にあったように思います。議論内容があまりに乏しく欲求不満が貯まりがちな官公庁タイプの会議ではついつい8.のパタンが頭をよぎったものです。
私などは頭の切り替えが遅く、いつまでも考え込んで10.のパタンに陥ったことがちょくちょくあったことを猛反省しています。心臓手術のときは十分な考察だけでなく頭の切り替えととっさの的確な判断が大切ですから、議論でも同様にすべきと思いました。
小学校の時からこうした議論の正しい方法を学び磨けば、その後の人生の中でずいぶんお互いの理解が深まり楽しく仕事や遊びができるのではないかと思いました。皆さんは如何でしょうか。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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