若い患者さんでも弁膜症は少なからずあります。
大動脈弁の内容が2枚(通常は3枚)になる状態を二尖弁と呼びます。
それ自体は病気とは限らないのですが、
弁が壊れやすく、手術が必要になることがよくあります。
10代や20代という若い時期に手術が必要になることもあります。
この若さでは生体弁はあまり長持ちせず、機械弁が多いです。
しかしそのために何十年もワーファリン(血栓予防薬)を飲み続ける必要があり、
男性患者さんでは格闘技のような激しいスポーツや多忙な仕事に支障がでたり、
女性患者さんでは妊娠出産が難しくなります。
そこで弁形成術の意義が大きくなります。
しかし大動脈弁形成術は難しく、
それをこなしている病院は少ないのが現状です。
またそのため内科・循環器内科の先生でさえ、弁置換のみを考えてご説明されるケースが多いようです。
そのために弁形成の時期を逸することがあるのは残念です。
以下はハートセンターにて大動脈弁形成術を受けられた20歳代の患者さんの奥様からのお手紙です。
大動脈弁形成術は無理という誤解・雑音に迷ったあと、勇気を出して、私の外来に来られました。
お役にたてて本当にうれしく思いました。
**********患者さんの奥様からのお便り*******
先日大動脈弁の手術でお世話になった、**の妻の**です。
米田先生には本当にお世話になりありがとうございました。
結婚して2年になりますが結婚直前に大動脈弁閉鎖不全症重度と診断されて、
いつか手術をしなければならないと聞いたときには不安がいっぱいで気が遠くなる思いでした。
それからいろんな病院で検査をしてきましたがさまざまな見解があり、
いつ手術をすべきなのか一向に判りませんでした。
そんな時にインターネットでハートセンターを知り一度診てもらおうと思ったのです。
米田先生に診てもらい夫婦一緒に今後の話をして頂いた時の米田先生のすごく自信に溢れている「形成術で手術しましょう!!大丈夫です!!」の言葉がずっと抱えていた不安を吹き飛ばすかのようにすっごく安心感がありました。
結果的にも手術は大成功をして、米田先生にお願いして本当によかったなと思いました。
入院生活はとてもきれいな病院でほかの先生がたもすごく親身に接して頂きましたし看護師のかたもすっごく明るく元気な方たちばかりで快適な入院生活がおくれたと聞いています。
私も毎日仕事帰りにお見舞いに行く際に遅い時間の面会にも嫌な顔をひとつせずいろいろ教えてくださったりで看護師さんとお話しするのも楽しかったです。
形成術がもしかしたら駄目だったかもしれないところを形成術でしていただいたこと、
本当に米田先生にお願いしてよかったと思います。感謝しております。
また、通院の際は米田先生は忙しいと思いますのでなかなかお目にかかる機会は少ないと思いますが遠くでちょっとでも気にかけてくださいね☆
(米田註:私は自分が手術した患者さんの悩みや質問には必ずお答えするようにしています。ご心配あればメール、手紙、外来、お電話、その他の方法でいつでもどうぞ。)
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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