お便り35 エホバ証人の大動脈弁狭窄症の患者さん

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Ilm10_de02005-s 大動脈弁狭窄症(弁が狭くなり心臓に無理がかかります)は重症になれば突然死の恐れがでる病気ですが、

いったん手術つまり大動脈弁置換術を乗り切れば予後の良い病気でもあります。

近年は心臓外科の技術進歩やノウハウの蓄積で経験豊かなチームなら手術死亡率は1%前後まで下がって来ています。

 

しかしエホバの証人の患者さんの場合は輸血を拒否されますので、手術死亡率が跳ね上がります。

だからと言って輸血拒否は宗教上の信念にもとづくものであるため、可能な限り尊重すべきものと私たちは考えています。

 

以下は最近大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術を受けられたエホバの患者さんからのお便りです。

 

当科へ初めて来られたときはかなりの貧血があり、このままでは無輸血手術できない可能性があるため、しばし時間をかけてさまざまな対策を立てて貧血を治しました。

その上で大動脈弁狭窄症への手術を行い、ゆうゆうと乗り切って元気に退院されました。

以下はその患者さんからのお便りです。

 

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米田正始先生
お元気でいらっしゃいますか? お便り35実物

きっと精力的に、かつ暖かくスケジュールをこなしていらっしゃる事とおもいます。

 
お便りするのが遅くなり本当に申し訳ありません。
受診、入院、手術と9月6日から始まって11月5日まで名古屋ハートセンターでは本当にお世話になりました。

米田先生はまさかと思ってお送りした私のメールにも、すぐにお返事を下さり大きな手術にも心を整えてくださいました。

 

今までの自分の介護経験のなかで患者側は「病気と闘うという事は医療スタッフとの闘いでもある」という実感を私は少なからず持っていましたが、 

米田先生にお会いして、その重苦しさは一変し自分自身とても暖かなものを感じ安堵感を覚えました。

しっかりしたご説明、先生の自信、熱意にふれ本当に救われた思いでした。

 

貧血症でありながら無輸血でお願いしたいという私の希望も最大限尊重して下さり本当に嬉しかったです。

入院中は傷の痛みを除けば本当に楽しかったです。

北村先生、深谷先生、小山先生もとても細やかに気を使って下さって明るい気持ちにさせて下さいました。 

体の患部だけでなく人として接して下さってる様子に多くの方が元気を頂いてるようでした。

 

看護師の方達や他のスタッフの方々も良い病院にしようという気持ちが伝わってきました。
本当に有難うございました。
退院してからは2日程不整脈が出ましたが、近くの医院で薬を貰い今はすっかり落ち着いています。

先生がこの点でも患者が困らないように配慮してくださっていた事、本当に有難うございました。
新しくなった心臓を本当に大切に扱って(?)良い人生をこれから歩んで生きたいなと思っております。

先生のwebヘ゜ーシ゛勝手に私の応援歌のように思いいつも楽しみにしています。

米田先生、どうかいつまでもお元気でいてくださいね。次は12月3日が受診日です。
心からの感謝を込めて。

 

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Heart_dRR
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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