ウィーンで年末年始を過ごさせて戴きました

Pocket

皆様、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

2010年から2011年にかけての年末年始をウィーンで過ごさせて戴きました。

昔から何かとお世話になっているヨルゲン・フォグさんというウィーンフィルのチェロ奏者の友人が今年で引退のため、ぜひ最後の演奏を聴きにおいでと言ってくれるので、これまでの御礼もかねて行って参りました。また両親とも80歳を超えたため一緒に海外旅行できるのもこれが最後かもという気持ちもありました。

フォグさんとは10年以上前に音楽好きで毎年2-3回はウィーンに行っていた私の父がふとしたことで友人になったのがきっかけで、以来、毎年奈良に数名でコンサートをやりに来てくれていたところからのお付き合いでした。近年は京都や小浜(福井県)でもコンサートをやってくれるようになり、地域の村おこしや、日本との文化交流を楽しんでくれているようでした。

奈良それも山間部や小浜ではこんな田舎に世界的な音楽家が来てくれるのは大変名IMG_1487c誉なことと支援してくださる方々が多く(皆様ほんとうにありがとうございます)、また平素それほどクラシックを聴いていない方でもこの機会に立派な音楽を聴こうと多数ご参加下さり、文化活動としても十分成果を出してきたようです。

そのフォグさんもすでに60歳になられ、チェロの腕にはますます磨きがかかっておられ、今後もウィーンフィルメンバーとしての演奏活動は続けられますが、恒例のニューイヤーコンサートで演奏するのは今回が最後で、いわば中締め演奏会ということで声をかけてくれたのでした。

この冬は猛烈な寒波のため、ハブ空港であるフランクルフト空港がしばらく閉鎖になり、一時はせっかくの機会にウィーンにたどり着くこともできないのでは、という心配をしていましたが、出発直前に温かくなり雨が降り、予定どおりウィーンで年末年始を過ごせることになりました。何たるラッキー?!

ウィーン2010-11IMG_1338c ニューイヤーコンサートは文字通り元旦に行われるのですが、その前日の大みそかにはこちらでもベートーベンの交響曲第九番のコンサートもあり、聴きに行きました。 

こちらのほうはウィーンフィルではなく、2番手と言われるウィーン交響楽団でしたが、第三楽章以後は素晴らしく、個人的には聴き入りながら過ぎた一年を感動と感謝をもって振り返ることができました。

そのあと、ウィーンの市内中心部では恒例のカウントダウンがあり、せっかくの機会なので参加してまいりました。近年は日本でも盛り上がっているようですが、ウィーンでも ウィーン2010-11IMG_1403c 

カウントダウンで新年となったころから爆竹や花火がどっと増え、大騒ぎの中で、美しき青きドナウの音楽が流れ、やはりウィーンと感じさせてくれました。

ウィーン2010-11IMG_1454c 打ち上げ花火が人ごみの中に突っ込むように落ちたときはだれかけが人がいるのでは?と思わず心配になりそちらへ向かいましたが、皆普通に動いていたのでほっとしました。

こんな場所で心停止→蘇生救命なんてやらせないでね、と思いたくなるほど、あちこちで爆竹の爆発音が聞かれました。

普段は礼儀正しいウィーンのひとたちもけっこう熱い!学生らしき若者グループが集まって何か声を出し合い、それから私のほうへきて、このお酒飲んで、と言ってくれるのにまた驚きましたが、その学生がきれいな目をしているのが印象的でした。

元旦のニューイヤーコンサートはウィーンの楽友協会で開催されました。 

普段のような本格的と言いますか、ちょっと堅苦しい曲はほとんどなく、ポピュラーで楽しい曲が多く演奏されました。私は音楽の素人ですが、多くの管弦楽団と比較して、ウィーンフィルは音が澄んでいると言いますか、濁りやねちゃっとした感じがない、さくさくした印象を受けます。曲の随所に一瞬の静寂がきちんと作られているといいますか、、、。そして弦楽器と管楽器のどちらもがきれいで、かつバランスが良いと思っています。コンサートの最後にやはり美しき青きドナウとラデッキー行進曲が奏でられ、最後は観客が総立ちになるほどの盛り上がりようでした。またバレエのチームがホール内で踊りを披露するという演出も受けていました。

IMG_1626c 引退公演を無事終えたフォグさんはそのあとの食事会でも上機嫌で元気いっぱいでした。普段の公演は今後も楽団員として続けるため、引退という雰囲気ではありませんでした。

今年(2011年)秋にまた奈良、京都などで公演してくださるようですので、皆様、またおでかけください。予定が決まればまたHPなどでご案内いたします。

実質3日間のウィーン滞在でしたが心に充電ができたような気がします。

最後に、年末年始の時期に病院(名古屋ハートセンター)を守ってくれた医師やコメディカル、事務職の皆さん、そして年末の大手術のあと病棟で闘病越年をしてくださった患者さんたち(先生ゆっくり楽しんでおいでと言って下さり感動しました)とご家族の皆様に厚く御礼申し上げます。

2011年1月1日

米田正始 拝

ブログのトップページへもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

Comments

  1. (当院で心臓手術を受けられた患者さんのご家族) says

    米田先生さま
    明けましておめでとうございます!
    ウィーンでリフレッシュされてきたようですね。
    私達家族も穏やかなお正月を迎えることができました。
    これも米田先生やみなさんのお陰だと感謝しています。
    ハートセンターより、年賀状をいただきました。
    退院してからも何かとお気遣いくださり、本当にありがたく思っています。
    母がお礼の葉書を・・・と言っていましたが、字が余り上手くないのでためらっておりました。
    このような形で申し訳ないですが、メールで失礼させていただきます。
     
    では、先生も風邪などひかれないように元気で頑張ってください!