現代の医療は情報開示や患者さんの人権尊重が当然のことと受け容れられています。
それでも医師の中には患者さんが他病院でセカンドオピニオンをもらいたいとか
他病院へ移動したいと希望を出すと
怒ったり不愉快な態度をとったりしてなかば妨害しそうになるというケースがまだ散見されます。
それはその医師がご自分のやっている医療を他人に見られたくない、
他人に見せられない内容だからと言われてもしかたありません。
僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症、心房細動それも脳梗塞既往に対する手術をもとめて長野県から来院されました。
やはり経験豊かなエキスパートが手術すべき状況で、
弁形成をちょっとかじっただけの外科医がやるべき状態ではありませんでした。
ご相談の結果、ご希望をいただき私どもで手術治療させて頂きました。
いつもどおり慣れた手順で、
正中ミックス手術(MICS手術)という創が小さくなる方法で手術させていただき、
お元気に退院されました。
僧帽弁閉鎖不全症の直接原因として、弁の複数個所が壊れていたため、
それぞれ修復しきれいに作動するようになりました。
以下はその患者さんのご家族からのお便りです。
これからは患者さんが勉強して医師を選ぶ、そういう時代です。
経験を要する心臓手術の場合、とくに大切です。
医師はそのご期待に沿うべく、全力を尽くす、これがこれからの医療かと思います。
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米田正始先生様
米田先生・・・この度は母の命を救って下さいまして本当にありがとうございました。何とお礼を申し上げましたらよろしいのでしょうか・・・本当に本当にありがとうございました。
**の病院で手術をする・・・という話になってから、「本当にここで手術をうけても大丈夫なのだろうか・・・?」とずっと不安な気持ちで毎日を過ごしていました。
カテーテルの検査をして、その結果を聞く時に、担当の先生が、「最初に言っておくけど、道路を歩いていても運悪く車にひかれて亡くなる人っているよね・・・それと一緒で、手術をしても運が悪ければ亡くなるって事があるっていう事を分かっておいてね。」と言われました。そして外科の担当の先生の診察の時には、「手術をして、脳卒中を起こしてしまう事があるので、そうなった時の家族でのサポート体制をよく話し合っておいて下さい。」とも言われました。
そんなにリスクの高い心臓手術なら、しない方がいいのではないか・・・でもこのまま心臓病を放置したら、母はどんどん苦しくなっていくし、どうすればいいのだろう・・・と、毎日一人で悩んでいました。
私には6才上の兄がいるのですが、兄は脳卒中が起きるのを心配してか、母の心臓手術にはもともと大反対でした。母に手術をするようすすめた私に、「母にもしもの事があったら全ての責任をとれ!!」とまで私に言いました。
ある日、隣のお家の奥さんと話す機会がありまして、お互いの両親の話になりました。そして、母の心臓の手術を**病院でうけるのがものすごく心配だ・・・という事を話しましたら、「インターネットで“日本の名医”って入れて検索してみて!!絶対に日本のどこかにお母さんの心臓を治して下さる先生がいるはずだから・・・」と言われました。
八方塞りで、もうどうしていいか分からなかった私に隣の奥さんが、米田先生と出逢えるきっかけをつくってくれたのです。 私はすぐに家へかけこみ、パソコンを開きました。そして「日本の名医」で検索をしてみました。その中で、「心臓血管外科情報WEB」(註、現在の名称は心臓外科手術情報WEBです)というサイトに目がとまりました。読み始めますと、それは米田先生が心臓病について、とても詳しく説明して下さっているページでした。
病院で簡単に説明されるだけで、私自身が母の心臓の病気について、ほとんどよく理解していなかった事が分かりました。それから毎晩、米田先生のページを読んで、母の心臓の病気について学びました。
そして、母の病気は米田先生だったら絶対に治して頂ける!!と強く確信頂しまして、名古屋ハートセンターにお電話させて頂きました。すぐに予約を入れて頂きまして、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
9月12日、初めて米田先生に診察をして頂いて、長野に帰る電車の中で母は、「よかった・・・米田先生に診て頂けて本当によかった・・・よかった・・・」と何回も安心した様子で話していました。母が通院していた歯科医院の先生にも「名古屋ハートセンターで手術をして頂く事になった」と話したところ、先生が「それはよかったですね、最高の先生の元で手術をするのが一番ですよ!!」と言われたと話していました。
兄達も、米田先生の手術の説明の後で、「すごくいい先生だね、米田先生ならおばあちゃん絶対大丈夫だね!!」と、その時初めて手術に賛成してくれました。
そして、手術のあとに、「あんなに素晴らしい先生を、この広い世界から見つけてくれてありがとう・・・」と兄からメールが届きました。
米田先生・・・本当に本当にありがとうございました。
母は、手術から目覚めた後私に、「本当によかった・・・米田先生のおかげで本当によかった・・・これで山へまた山菜とりに出かけられるね・・・!!」と嬉しそうに話してくれました。
米田先生に救って頂いた母の命を大切に、これから末長く親孝行をしたいと思います。
本当にありがとうございました。
*****の娘
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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