かつて心臓手術は大きな侵襲つまり体への負担はやむをえない、
ある意味、当然という空気がありました。
今でも他の臓器の手術と比べると大きな手術であることが多いようですが、
それでもできるだけ体の負担を減らし、創を小さくし、
骨を切るところを減らし、
痛みの軽減や早い社会復帰をめざす方向にあります。
いわゆるミックス手術(MICS手術、低侵襲小切開手術)ですね。
下記のメールはミックス手術での大動脈弁置換術を受けられた50代女性です。
関西からお越しいただきました。
実年齢よりかなりお若く見え、
もともと積極的で活発に生きてこられた方だけに、
できるだけ手術のあと、早期に社会復帰をしていただこう、
そして美容上もなるべくきれいな形にしようとしました。
ミックス手術の中でもポートアクセス法はじめ、いくつかの方法をもっているのですが、
この方の場合は医学的理由で胸骨を部分的に正中切開する方法をもちいました。
将来のカテーテル生体弁(TAVI)を考慮して
生体弁をもちいた大動脈弁置換術AVRでまとめました。
活発な生活を長年にわたって続けて頂けるよう、配慮しました。
手術の後の回復は早く、
ミックス手術(MICS手術)の効果以上に患者さんの明るさと頑張りに頭が下がります。
また外来でお元気なお姿を拝見したいものです。
********術後12日目にいただいたメールです******
米田先生
先週の金曜日、退院の日は、嬉しいながらも大変、残念でございました。
先生にお会いでき、きちんとお礼を言って帰京できると思っておりましたので。
退院も無事に出来、先生には並々ならぬお世話になりました。
お礼の言葉も、言葉だけでは伝わりにくくございます上、
失礼のないお礼はと、ずっと気になっておりました。
先生のお話の中で、関西では、お世話になったから、又、関西で
何か?をする為に動き出している、とのお話でした。
それらで、寄付金を募っておられましたら、又この先、
そのような事がございましたら、是非、お声をかけて下さいませ!
先生への感謝の気持ちで、微力ではありますが、協力させて
頂きたいと存じますので。
***は2週間の予定でホテルを予約してましたので、
金曜日、土曜日(ノリタケの森に行ってきました。
術後10日目に観光できるとは、自分でもビックリ!です。何かあれば、日曜夜に病院に戻ればいいと思ってましたから・・)
と名古屋に滞在し、昨夜、祇園祭りの喧騒を避けて、京都に戻って参りました。
それでは、1ヶ月検診までに、2kg落ちた体重(1800カロリーの病院食をきれいに食べてましたのに、落ちるものなのですね。)を少しづつ戻るよう、しっかり食べ、ウォーキング等、行い、体力をつけてハートセンターに参りたいと思います。
先生、名古屋も暑いですね。どうぞ、お身体をご自愛下さいませ。
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米田先生
先だっては一月検診の時、わざわざご丁寧なお話を有難うございました。
その後、京都から大阪に慌ただしく引っ越しし、それも無事にこなし、ここメルボルンに来ました。
冬の終わりだというのに日中の日差しは強く、暖かくて過ごしやすい気候です。
退院後、いつの間にか、息がし易くなっており、現在は、殆ど胸骨の痛みもありません。
胸ベルトをしてますので、窮屈に感じますが、深呼吸がとても気持ち良くでききるようになり、心臓弁が替わったんだなとつくづく感じます。
ウォーキングをしたり、2日~3日に一度はプールでゆっくりと泳ぎ、体力をつけています。
9月16日が高木先生の診察ですので、そのエコー検査の結果を持って、次回、10月にハートセンターに出向きたいと思います。
10月にヨーロッパ旅行に出る計画ですので、3種類の薬(アルダクトンA,バイアスピリン、メインテート)もまだ継続中ですから、注意点などを次回の診察の時に伺いたいと思います。(元々、低血圧ですので、この薬を飲んで、下がってるという感じはしないのですが。)
術後まだ2カ月足らずですが、これからますます元気になったんだな。と実感できる事が沢山あるかと思います。そんな時、いつも先生に感謝しています。
敬具
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******術後3か月にいただいたメールです*********
米田先生
本日、血液検査、レントゲン、心電図と北村先生の診察でハートセンターに出向いておりました。
どこも問題がなく経過良好です。
自分でも、知らず知らずのうちに、どんどん元気になっていっている様な気がします。
有難うございます。
週末より一月程のヨーロッパ旅行に出かけますので、
(今までは体力に自信がなく、一月の旅行は敬遠してたのですが)
毎日、歩いたりして、実感として健康になったと感じる事と思います。
次回の検診は1月でございますので、宜しくお願い致します。
先生もお元気でご活躍下さいますよう心よりお祈り申し上げます。
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米田先生
メールを有難うございました。
今、パリに来ています。
普段なら、交通機関で回るところを、昨日一日、歩いて名所を巡りました。
腰や足は痛くなりましたが、深呼吸ができ、酸素が充分に吸えるので、上半身はすこぶる調子が良かったです。
手術後三カ月足らずで、健康体の身体に戻るとは、自分でも驚くばかりです。
身体に自信がついてきましたので、この後、バルセロナから、2週間の航海で、マイアミに行きますが、船の中でも不安がありません。
(今日は、一度、目まいがしたのですが、20秒位で直りました。アルダクトンは、もう処方されてませんので、薬が原因ではなく、更年期等の症状かもしれません。)
先生、私の拙い文章で良ければ、どうぞHPで使って下さいませ。
私も患者ですので、手術の決心がつかれない気持ちは、よく解ります。
私は旅行が好きですので、海外で倒れたら人に迷惑かけますし、出かけてる時に家族も心配しますので、それで決心致しました。
大きな事じゃなくても、山に登りたいとか、何かがなければこのままでいいと思い、年々、踏ん切りがつかず、弱っていくんだと思います。
こんなに元気になるんなら、もっと早くにしておけば良かったと皆さん思われると思います。
それに、先生もおっしゃいましたように、若いうちにする方が、体力があり復帰が早いのは実感として感じます。
それでは、先生、私は火曜日の北村先生の診察になっておりますので、もし一月、病院にいらっしゃいましたら、お目にかかれますように。
宜しくお願い致します。
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大動脈弁手術から3年が経ちました。またお手紙をいただきました。
人生をエンジョイされているご様子がよくわかります。
これでこそ、心臓手術を受けて戴いた意義があるというものです。立派です。敬服いたします。
今後も楽しくお過ごしください。
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米田先生
日本は朝夕冷え込む季節になりましたが、お変わりなくお過ごしのご様子で、ご繁栄お喜び申し上げます。
11月16日の講演会の記事を読ませて頂きました。
誠に残念ですが出席出来ませんが、とても元気な事をお知らせしたくメールしました。
10月2日よりサンディエゴのラホヤに滞在しています。
来てすぐにサイクリングやハイキングをエネルギッシュにこなしています。
サイクリングも急な坂ありで、後で聞くと何と30キロ以上の距離だったそうです。
ハイキングも平坦な道でなく写真のような崖を登りました… 初めはどうなることかと思いましたが、筋肉痛もなく、お陰様で心臓もびくともしません。
昨日から車で3週間のアメリカ国内旅行に出発し、初めてアメリカで5時間も運転してPhenixに着きました。
明日はcamal backに登り、国立公園等をハイキングします。
自分でも、こんなに体力があったのかと驚いていますが、これも偏に先生に心臓を治して頂いたお陰と、いつも本当に感謝しています。
いつもお忙しくなさってます上、どうぞご自身のお身体も御自愛下さいますように。
P.S. 一つ少し心配な事は、いつも旅行をしますと、よく活動するせいか、体重が減って38キロを切ってしまいます。(83pound) 薬局でプロティンとココナッツオイルを勧められて混ぜて飲んでます。
糖質制限食の反対の炭水化物をもっと食べないと駄目ですね…
Scottsdaleにて
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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