心臓病の患者さんのなかで、
うっ血性肝硬変は
重症の三尖弁閉鎖不全症や
重症心不全あるいは右心系の心疾患などで見られます。
うっ血性肝硬変が重症になるといのちにかかわる問題になります。
そこでできるだけ早期に的確な治療、
フォンタン手術などを行うことがポイントとなります。
以下にうっ血性肝硬変のChild分類(チャイルド分類)とChild-Pugh分類を示します
まずChild分類は肝硬変患者さんの手術リスクを判定する一つの指標として広く活用され、有益なものですが、
臨床症状の判定にあいまいさを含むという難点が指摘されています。
要は患者さんの全体像をしっかり把握し総合的に判断することと、先手先手を打っていくということと考えます。
これまでにも、心臓も肝臓もダメだから手術はできないと言われて私の外来に来られ、十分な準備ののち、無事に心臓手術を乗り越えて今は元気に暮らしておられる方が少なくありません。(お便り13、お便り20、お便り51などをご参照ください)
あきらめてはダメなのです。
Child分類 A B C
ビリルビンmg/dl <2.0 2.0-3.0 >3.0
アルブミンmg/dl >3/5 3.0-3.5 <3.0
腹水 なし コントロール可 コントロール不可
脳症 なし I II III IV
栄養状態 良好 良好 不良
ついでChild-Pugh分類を示します
この分類と肝硬変の予後との関係は、
スコアが8-9点の場合は1年以内に死亡する例が多く、
10点以上になるとその予後はおよそ6か月と言われています
スコア 1 2 3
脳症 なし Grade I-II Grade III-IV
腹水 なし 軽度 中等度
ビリルビンmg/dl <2 2-3 >3
アルブミンmg/dl >3/5 2.8-3.5 <2.8
PT s(%) 1-4(80%<) 4-6(50-80%) 6< (<50%)
PBC Bil 1-4 4-10 10<
Grade A: 5-6点
Grade B: 7-9点
Grade C: 10-15点
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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