最終更新日 2020年3月2日
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ここでのお孫さんの結婚式というのは、大切なイベントという意味です。
たとえば若い患者さんで、必要な心臓手術を受けて、卒業試験に間に合いますかとか、国家試験までに治したいなども同じ意味合いです。
重要なことです。
こうしたことはよく経験します。
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心臓病によってはオペを急がずに待てるというタイプのものもあります。少なくとも大切なイベントを犠牲にはできないという状況なら、それが終わるまで手術をしないということは病気によってはあります。たとえば心房中隔欠損症で二次的な問題が起こっていないときとか、僧帽弁閉鎖不全症でまだ無症状で心負荷も軽いときなどですね。
ぎゃくに無理をしたり、ストレスがかかったり興奮したりすると突然死するタイプ、したがって急ぐほうが有利なものもあります。
たとえば大動脈弁狭窄症や狭心症とくに不安定狭心症、心筋梗塞、あるいはIHSS(別名HOCM)、ある種の不整脈その他ですね。
そうした病気の場合は、早く心臓手術でその病気を治し、早く元気に退院し、安全にそのイベントに参加するほうが有利です。
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つまり心臓手術をその病気の状態に応じたベストタイミングで行い、早く元気に社会復帰して戴くことが、その患者さんのいのちを救うだけでなく、生活や人生を救う(ちょっと大げさですが)さらには周囲の人たちをハッピーにすることにつながるのです。
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一般に病院とくに大きなところでは人手不足とかベッド満床とかさまざまな理由で本当はすぐ心臓手術すべき病気を何週間も先延ばしにすることがあります。
あるいは何か月先まで予約いっぱいと言いながら、その内実は週2例しか入れていないなどですね。
患者さんの体調以外の理由で手術を時期を決める、国公立病院など公的病院ではその傾向が強いです。
そうした弱点を皆で努力しカバーして、ベストタイミングで最適治療を提供し患者さんや社会に貢献するのも民間病院・ハートセンターの良いところと考えています。
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はやくオペで危機を脱し、安心して大切な人生のイベントを楽しんでいただきたいものです。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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