最終更新日 2020年3月2日
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どこも痛くないのに心臓手術が必要という状況は少なからずあります。もちろんその心臓病がある程度以上、重い場合の話ですが。
たとえば僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症の多くは痛みの症状がまずありません。高度な三尖弁閉鎖不全症でも同様です。
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しかしだからといって、これら重症の弁膜症をそのままにしておくと、心臓が次第に壊れて、あまりひどく壊れれば心臓手術が危険なものになったり、せっかく手術してもあまり良くならないということさえ起こります。
胸が痛くなる病気である狭心症でさえ痛みがない患者さんは多数おられます。糖尿病を合併している患者さんなどの場合で、心筋梗塞にまで進んでもなお痛みがはっきりしないということもあります。
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そのため痛みを伴わない心疾患では、患者さんがなるほどと納得して頂けるだけの説明や信頼関係がひつようなのです。
これは医師の責任ですが、患者さんの立場からも質問をしご自身でも調べて前向きに考えて頂けるとさいわいです。必要があればセカンドオピニオンを他病院でもらって確認するのも良いでしょう。
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余談ですが、強烈な痛みをともなう病気、たとえば大動脈解離などでは、患者さんもこのままではイカン、すぐ手術しないと命が危ない、と直感的に理解しやすく、賛同を得られやすい傾向があります。
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心臓や血管の病気にもさまざまなタイプがあるのです。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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