最終更新日 2020年3月2日
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心臓手術のあとで痛みが強いんじゃない?と心配される患者さんは少なくありません。
そのお答えは「そのとおりです。痛みはあります。申し訳ありません」となります。
誰でも痛みはいやですし、かく言う私も自分が患者なら痛みはぜひ減らして欲しく思います。
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骨を切らずにすむため、創の治りが速く、痛みも少ないです。
かつ肋骨の間を一時広げて心臓手術するため、
術中に肋間神経を一時的にマヒさせるようにして痛みをやわらげています。この神経は2-3か月で再生しますので心配ありません。
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胸の真ん中を切るタイプのミックス手術でもできれば胸骨を全部ではなく部分的に切るようにしています。
これによって術後の胸骨の安定が良くなり痛みが減るのです。実際、患者さんのなかには術後2日目以後は痛みどめが不要だったというかたさえあります。
やむなく普通の正中切開となる場合でも、
骨が安定しやすいように、かつ治りが速くなるように、特別な方法で胸骨を再建し、痛みが軽くなる工夫を加えています。心臓手術の翌日にバンザイ運動ができる方が多いのが私たちの病院の特長です。→→もっと見る
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そうした心臓手術中の工夫に加えて、術前後の呼吸訓練も有用です。それらに加えてASV(エーエスブイ)などのマスクを用いて肺をきれいにします。
肺がすぐきれいになると、咳が減り、結果的に痛みは和らぎます。
もちろん痛み止めのお薬は適宜飲んでいただくようにしています。
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心臓手術の痛みをさらに減らし、
患者さんが心臓病と向き合い克服しやすくなるよう、努力を続けます。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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