修正大血管転位症は医学が進歩した現在も油断ならない病気です。
右心室という小さいポンプが左心室という大きなポンプの役割を果たさねばならない病気で、そのために長期的には無理が生じてしまうからです。
医学教科書では、心室中隔欠損症や肺動脈弁狭窄症などを合併しなければ予後は良いとされていますが、修正大血管転位症で60歳以上まで生存するひとは少ないのです。
しかしその死亡原因をみると、解決策がある程度以上は見えてくるのです。
たとえば心不全、三尖弁閉鎖不全症(通常の心臓でいう僧帽弁閉鎖不全症に相当します)、房室ブロック、不整脈などなどがあります。
逆に、それらを一つひとつ入念に治療あるいは予防して行けば、予後はもっと良くなるはずです。
そこで、私たちは拡張型心筋症の手術や治療の経験を活かし、かつ先天性心疾患の治療経験を活かして、この修正大血管転位症の患者さんの治療にあたっています。
元気に長生きする記録を更新しましょうと頑張っています。
下記はその修正大血管転位症に三尖弁閉鎖不全症を併発し、最近三尖弁の手術を受けられた患者さんのご主人さまからのお手紙です。
まだ30代というお若いご年齢から、将来を見据えた心臓手術だけでなく、その後の薬の使い方で、さらに予後を良くしましょうと患者さんや地元の先生方と相談して、チームワークで治療をしています。
********患者さんのご家族からのお便り*******
名古屋ハートセンター 心臓血管外科 御中 米田先生様
このたび、3月1日手術で大変お世話になりました、*****の夫です。
丹後もやっと桜が満開になり春らしくなってきました。
手術前、入学式には出たいとの希望が叶いましたのも、
名古屋ハートーセンター・先生方看護師スタッフの皆々様のおかげで感謝申し上げます。
****病院・**先生様の連携にも
ご尽力いただき安心して暮らしております。
ネットで名古屋ハートーセンターのHPを見つけて
手術室の笑顔の集合写真を見たときに
この病院ならなんとかしてくれると直感しました。
1月11日のメールにすぐにご返信いただいてから
1月19日検査入院・3月1日手術とレスポンスの速さに
名古屋ハートーセンターでよかったと感謝感謝です。
米田先生、ありがとうございます。
今後とも、妻の経過診察よろしくお願い申し上げます。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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