東日本大震災やそれに続く福島の原発事故では大変な被害がでて皆ができる協力をしながらもまだまだ不十分と申し訳なく思っています。
そうした中で、その被災地へ転居し、みずから全身で被災地のために貢献しようと言うかたが、私の知人の中に何人かおられます。
せちがらい世の中で勇気を頂いた、心が温まると言う以上に熱くなることです。
自分自身は被災地へ転居するだけのパワーはなくても、せめてそうした方々の応援はしたいと強く念じています。
以下の患者さんもそのひとりで、被災地福島へ行こう、しかしその前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症)を弁形成で治 してから、ということで私のいる名古屋ハートセンター心臓血管外科外来へ来られました。
患者さんはエホバの証人の信者さんのため、輸血ができないという制約下での手術でした。
しかし皆で高い志をもって頑張り、患者さんは心臓手術も大成功で、しかもポートアクセス法というミックス手術(低侵襲手術)つまり体に優しい手術ということもあり、すぐ元気に回復され社会復帰されました。
少ない痛み、早い回復と社会復帰がこのポートアクセス法心臓手術の特長ですが、無輸血手術の達成にも一役買っています。
以下はその患者さんからのお便りです。
頑張ってげんきになって頂いたことをうれしく思うとともに、これから福島で素晴らしい仲間たちとすばらしい人生を送って頂きたく念じています。
**********患者さんからのお便り**********
米田先生へ
土曜日に無事退院を迎えるにあたり、先生に感謝の気持ちをお伝えしたく、お手紙を書かせて頂きました。
心臓に疾患があるとわかった当初、私がエホバの証人であり無輸血で手術を受けたいとの希望があった為、当時診て頂いていた病院で「協力的な医療機関を見つけるのは難しいだろう」と言われました。
主人がネットでこちらの病院を探し、失礼を承知で米田先生に直接メールをさせて頂いた所・・・先生は本当に御多忙であるにも関わらず10分もしない内に「是非診察させて下さい」との温かい御返事を下さり、心底ホッとしたのを今でも覚えています。
(実は先生からのリターンが想定外に早過ぎた為、返信にしばらく気づけず、こちらの返事が遅くなった事は、大変失礼致しました。)
実際、初めてこちらのセンターに伺い、先生とお会いし、明瞭なデータ分析と説明と力強い言葉の数々を頂き、私は心臓疾患に関して無知であったのに、非常な安心感と自分の身体への明確な理解を得、先生に是非手術をお願いしたいと素直に思えました。
入院してからも本当に丁寧なインフォームドコンセントにより、本来は難解であろう医療用語や手術方法が先生の巧みな言葉の分解により、患者側が受け入れ易い情報に変換されて、私自身が受け入れたい製剤や代替案を本当に決定し易く感じ、有り難く思いました。
先生は人の命を救う事に心を砕いて、全ての労力を傾けておられる方ですから、私がエホバの証人であり、自分の良心上、受け入れたくなかったFFPに関しての決定をお伝えした時も困惑されと思います。
それでもワガママな患者として邪険に扱うのではなく、信念を持った一個人としての尊厳を尊重しつつ接して下さり、その点は感謝をどれだけお伝えしても、伝えきれません・・・。
私のお願いの為に、手術の止血の時にもかなりのお時間を取らせてしまったにも関わらず、その後も変わらず温かい態度と優しい笑顔で接して下さった事は、私とって本当に嬉しい事でした。
患者の側が、素晴らしい人柄と高度な医療技術を兼ね備えた医師に出会い、治療を受けられるのは非常に恵まれたケースだと感じます。
私の様にエホバの証人である場合には特にそう言えます。
今回、私は高い技術を持っておられるにも関わらず、患者の目線で温かく対応して下さる米田先生に出会い、治療して頂く事が出来、これからも身も心も平安に過ごせる様にして頂いた事を、心より感謝しています。
きっと今後も私の仲間の者達が先生を頼ってこちらに来させて頂くと思いますが何卒宜しくお願い致します。
米田先生・・・本当に毎日御多忙だと存じますが、くれぐれもお身体に気を付けて下さいね。
お世話になりました。
敬愛と心からの感謝を込めて・・・
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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