僧帽弁形成術は年々進化をとげ、かつては弁形成できなかった複雑な僧帽弁閉鎖不全症(つまり逆流)が弁形成できるようになり、近年はそれがポートアクセスによって小さい創で、骨を切ることもなく、安全に手術できるようになりました。
ちなみにポートアクセスとはミックスという小さい創で行う心臓手術の代表的なもので図のように小さい創ごしに心臓にアプローチして治す方法です。
ポートアクセス法では狭い視野で確実な手術をすべく、日々さまざまな検討を行い、国内はもとより海外の仲間とも情報交換し、技を磨き続けることに支えられています。
こうした心臓手術は熟練した心臓外科医とそのチームによってこそ行えるもので、医師はもちろん看護師、ME、検査技師はじめハートチームが一丸となって精進しています。
以下のお手紙はそのポートアクセスによる複雑弁形成を受けられた患者さんからの礼状です。
少々遠方の岐阜県からお越し下さいました。
内容はほめ過ぎで、お恥ずかしいのですが、これほど喜んで頂けたことをうれしく思っています。
バーロー症候群という、僧帽弁形成術がやりにくい病気をお持ちでしたが、逆流も取れ順調に経過し、お元気にしておられます。
ポートアクセスの利点で、痛みも少なくすぐ活発な生活を回復されました。
創はさすがに小さく、女性のため乳腺に隠れて見えません。
だれでも心臓手術を受けるというのは勇気がいるものです。そこで私たちを信じて手術を決断して下さった勇気にあらためて敬意を表するものです。
*********** 患者さんからのお便り **************
庭のあじさいが、いっそう色濃さを増し、くちなしの白い花も、甘く香る今日この頃でございます。
その節、米田先生には、大変お世話になり、本当に、ありがとうございました。
手術から、もう三ヶ月が過ぎ、順調に回復し、改めて、厚くお礼申し上げます。
先生のような名医に、手術して頂けるなんて、最初は、とても無理なことと思っておりましたのに、こうして、お世話になれて、私は幸せ者でございます。
入院中、同室の方々も遠方から先生を、たよっていらしている方々ばかりで、改めて、先生のすばらしさ、偉大さを、実感致したことでございます。
特に、****さんとは、親しくお話しさせて頂き、先生の手術の腕ばかりでなく、人間性のすばらしさをお聞きし、その様な先生にお世話になれたことを、家族一同、大変よろこんだことでございます。
その後、主人の入院・手術等が続き、大変遅くなり、失礼してしまいましたが、本日、おはずかしいような物ですが、お礼の気持ちの一部をお送りさせて頂きましたので、ご笑納下さいませ。
本当に、本当にありがとうございました。
今後も、先生の益々のご活躍を。お祈り申し上げております。
かしこ
六月二十七日
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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