お便り69 心膜のう腫の手術を受けたエホバの証人の信者さん

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心膜嚢腫(のうしゅ)はやや稀な病気ですが、大きくなると心臓を圧迫し、心不全などのさまざまな症状を引き起こします。また良性腫瘍とはいっても、不完全に切除すると再発の恐れがあります。

Ilm23_cg01002-s以下の患者さんは関東から来られました。地元の病院ではエホバの証人で輸血できない患者さんは治療ができないと言われたそうです。

またそのために手術も内視鏡で右胸から、不完全切除覚悟のものしかできないと言われて米田正始の外来に来られました。

私たちはその方の宗教を尊重する立場から、全力をあげてエホバの証人の患者さんの無輸血手術の完遂に努力しています。

もちろん無輸血手術が困難な場合や危険な場合は正確に正直にお話しするようにしています。その場合でもできるだけ長く生きられる次善の策としての治療を検討するようにしています。

この患者さんの場合は、腫瘍の場所が真ん中から左右に広がっているため、安全を期して正中切開としました。

絶対無輸血というのでなければ、いわゆるミックス手術という小さい創の手術それも胸骨を部分切開する、体への負担の少ない方法をとるのですが、この患者さんの場合は安全を期して皮膚切開はやや小さくするに止めました。

のう腫はそのカプセルごときれいに取れ、完全切除は達成しました。もちろん無輸血です。

今はお元気で外来に定期健診に来られます。

以下はその患者さんからのお便りです。

喜んで頂けてうれしい限りです。

 

********** 患者さんからのお便り ********

 

米田正始副院長 様

 

ご無沙汰してます。
 

退院時もお会い出来す残念でしたが、米田先生は立派なお仕事されてますね。
退院まで深谷医師、北村医師、小山医師の皆様から親切な対応をして頂き感謝してま
す。
患者さんからのメールです

帰宅してから**先生の受診でも、全摘と良性であった事を良かったと言って快く薬も出して下さいました。

良かったです。有難う御座いました。

胸の傷は日柄ものと思いますが、喉の下のほうがプクプウしてます。
そのあたりが少し痛みが残ってます。

深谷先生から皮膚の下の骨も切っている為の腫れと聴いてましたので了解してます。

熱は36度代で血圧も安定してます。

20日に伺います。福留看護士様にも色々お世話になりました。

米田先生、リスクのある手術を受けて下さり有難う御座いました。

一時はどうしようかと思案に暮れていましたが、親切な応答に嬉しかったです。

一生忘れられない先生です。多忙な中、体を大切にして下さい。

先生の心臓も頑張って動いて先生を支えてくれているんですから。

感謝の気持ちをお伝えしたくメールさせて頂きました。

横浜市***区
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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