自己心膜をもちいた大動脈弁形成術あるいは再建術は最近世界の注目を集めています。
大動脈弁の弁尖つまりひらひらと開閉する部分を自己組織で取り換えるため、厳密には弁形成というよりは弁置換との中間型と考えることもできます。そこで私たちは誤解を避けるため、大動脈弁再建術と呼ぶことが多いです。
ともあれ、この方法は大動脈の根っこの部分に直接自己心膜を縫い付けるため、自然の弁に近い性質をもっています。そのため弁尖の動き方に無理がなく、縫い代の無駄がほぼゼロのためサイズが人工弁よりかなり大きくなり、長持ちしやすい構造です。
将来のTAVI(カテーテル弁)にもいっそう対応しやすく、再手術もそれだけ減らせるという期待が持てます。
以下の患者さんはこの自己心膜による大動脈弁形成術(再建術)をもとめて埼玉県からお越し下さいました。
遠方から来たかいがあったと言って頂けるよう、しっかりと頑張りました。もとは二尖弁というひろひら部分が2枚でしたが、手術後はきれいな3枚になりました。そして良い結果でよろこんで戴けてうれしい限りです。
ミックス法で創も小さ目にできました。こころの創があまりつかないようにしました。
その患者さんからのお便りです。
*********患者さんからのお便り*********
米田先生様
この度、17日に退院しました**です。
米田先生、北村先生、深谷先生、看護師のみなさんには
大変お世話になりました。
自分の病気が発見された時は頭の中が真っ白で脱力感で
何も考える事が出来ませんでした。時間が過ぎていく中
不安や恐怖感がでてきて男ながら涙がでる日々がありました。
そんな日々色々と病気の事を調べていく中、米田先生のサイトを
見つけ読んでいくにつれて米田先生にお願いしたいという気持ちが
でできました。
そして、すぐにメールしたら何時間後には返信がきて翌日には
検診日を決めて埼玉から名古屋までかなり遠かったですが
米田先生にお会いでき色々とお話して「米田先生に手術をお願い
しよう」と思いました。
そして入院日、手術日を決めていく中なんと手術日が子どもの
誕生日に決まりまたまたそこで涙が溢れてきました。
いよいよ手術当日も不安や恐怖感でいっぱいの中看護師の方、
北村先生が盛り上げてくれた事感謝の気持ちでした。
術後も看護師さんには大変お世話になりありがとうございました。
本当に先生方、看護師の方には感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
埼玉県在住
*****
********上記のメールをこのHPに掲載する許可依頼をしたところ下記のコメントを頂きました********
米田先生様
こちらこそ少しでもお役になれば喜んで掲載していただければ
と思います。
他の患者さんへ
自分は大動脈逆流症と地元のお医者さんに言われた時は
頭の中が真っ白になり何も考えられませんでした。
時間がすぎていくにつれて「何で自分なんだ」と思って涙を流しながら日々を
過ごしてきました。
毎日毎日不安や恐怖感でいっぱいでした。
でも、名古屋ハートセンターの米田先生と出会い「弁形成が出来るんだ」
という期待の気持ちを思い手術する決意を決めました。
自分自身が諦めずにインターネットや本とかで調べていけば
納得出来る病院、先生が必ず見つかると思います。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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