弓部大動脈瘤とくに嚢状瘤つまり局所的にポコッとこぶになっているタイプはサイズが小さくても破裂する恐れがある病気です。
しかも症状がない場合が多く、いったん破裂すれば強い症状が出ますがその時にはすでに手術が間に合わずいのちを落とすことが多いというやっかいな病気です。
この患者さんは近くの先生の気転でCTを撮っていただき、未然に診断をつけて頂いたおかげで命拾いをしました。
普段はお元気な70代男性で、そうして弓部大動脈の嚢状瘤という診断をつけていただき、米田正始の外来へ来られました。
まもなく手術となりました。
人工血管で弓部大動脈をすべて取り換える手術(弓部大動脈全置換術)を行い、経過良好で術翌朝には集中治療室を退室され、手術後9日目に元気に退院されました。
以下はその患者さんからのお便りです。
お役に立てて本当にうれしいことです。
また私のチームの医師・看護師さんたちの名前をあげて感謝してくださり、こんなにうれしいことはありません。
また外来でお会いするのが楽しみです。
*********** 患者さんからのお便り **********
名古屋ハートセンター
米田正始 先生
このたび 1月16日に胸部大動脈瘤を手術していただいた****です。
お陰さまで26日に退院し、日々少しづつリハビリに取り組んでおります。
12月27日に妻ともども先生へ伺い、診察、検査の結果、早く手術したほうが良いと勧められて、迷ったのですが、先生の説明に納得して早期の手術を決断した次第です。
手術を担当していただいた米田先生をはじめ、北村先生、深谷先生、木村先生、看護師の小中野先生、梅田先生、道木先生、病室のスタッフの方々に大変お世話になりましたこと、厚くお礼申し上げます。
ハートセンターの取り組みは、宗田 理「いい病院」への挑戦という本が昨年春に出版されておりまして、事前に目を通しておりましたが、ご指摘通り素晴らしい取り組みをされている病院と納得しました。
今回、***病院の**先生に病魔を見つけてもらったおかげと思っており、感謝の念で一杯ですが、手術をしていただいた「名古屋ハートセンター」の皆さんにも感謝、感謝です。
本当にありがとうございました。皆様にもよろしくお伝えください。
まずはお礼まで
平成25年1月29日
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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