お便り100: お掃除のおばさんからのお手紙

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天声人語という言葉があります。有名新聞のコラムの題名ですが、もとは中国の古典で「天に声あり、人をして語らしむ」という言葉があり、そこからの引用です。

A335_004病院で言えば偉い先生方の声も有難いのですが、庶民的なレベルの方々の声に真実があるとも言えましょう。

実際、いつも院内を掃除しきれいに快適にして下さるおばさんたちの声は傾聴に値すると思っています。それは心臓手術の患者さんの声を重視しじっくり聴くように努力するなかで、患者さんは医師というだけで身構えてありのままに話せないことがあるからです。このことは看護師さんにも言えるのです。身近なお掃除のおばさんたちになら遠慮なく本音が言えるとおっしゃった患者さんがおられます。

そういう気持ちがあるおかげか、水心あれば魚心状態になったのでしょう、ハートセンターのお掃除のおばさんたちとちょくちょく話すようになり、いろいろと教えて頂くようになりました。

病院開設から5年がたち、私が郷里の奈良にかんさいハートセンターを立ち上げるため名古屋ハートセンターを去るときにも賑やかに歓談の場を持てたことは幸いでした。

そのあと、以下のようなお手紙を頂きました。こころ温まる、ジーンと来るものがありました。

新しい病院でもこうしたことを忘れずに精進するつもりです。ありがとうございました。

 

**********お手紙***********

 

米田先生

 

この度先生がハートセンターをおやめになると伺いショックを受けております。

でも色々とご事情がお有りになることと拝察し現実を受けとめなければ・・・と思います。

今まで色々なご相談に乗って頂いたり、おやさしいお言葉を頂きましたこと、心よりお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。素晴らしい先生にお逢い出来ましたこと、一生の宝でございます。


あきたメンテナンス   **** ****より

 

追伸

私どもが病室に入りますと、必ず米田先生のファンの患者から細かいところまで気を遣って頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。と

日本中どこにいらしても先生のご診察を受けに行くと・・・たくさんの患者さんから聞いております。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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