この7月19日に市立奈良病院の新病棟完成内覧会に行ってまいりました。
この病院はかつては国立奈良病院として奈良市の中心的医療拠点として活躍してこられた歴史をもっていますが、奈良市と地域医療振興協会によって平成15年に現在の市立奈良病院として面目を一新したものです。
新しい体制になってからはこれまで以上に救急医療に力を入れ、がん診療連携拠点病院、周産期医療や災害拠点病院としても高い評価を受けています。
個人的には循環器内科の堀井学先生らの熱い循環器診療にほれ込んでおり、関係の皆さんとの交流を楽しみに出席しました。昔、天理よろづ相談所病院でレジデントの1年先輩の西和田敬先生(平成記念病院副院長)と久しぶりにお会いでき、一緒に見学できました。
市立奈良病院の新病棟は紀寺町の東部、若草山が目の前に見える絶景の地にあり、病棟からも楽しめる構造になっていました。反対側からは生駒山なども遠景として望める癒しの配慮がなされていました。
病棟は全体として明るく広く、とくに廊下やナースステーションの余裕の設計には感嘆いたしました。手術室も一部屋ひと部屋が広く、ICU集中治療室も同様で仕事がしやすい構造になっていました。これからのがん治療で大きな役割を担う外来化学療法部門ではひろびろとしたフロアで患者さんが好みの姿勢で治療を受けられる配慮がされていて感心しました。
私ども高の原中央病院かんさいハートセンターではこうした立派な施設と協力して救急や重症の患者さんを含めた幅広い心臓病、血管病の患者さんの手術でお役に立ちたく思いました。また大きな総合病院でこそできるがんなどの集学的治療では逆に治療をお願いできるのが大変ありがたく思いました。
チーム医療というのは院内チームや医療者と患者さんご家族の協力だけでなく、地域の病院群とお互いの特長を活かした協力も含まれると思います。市立奈良病院のように立派な施設にふさわしいパートナーになれるよう、決意を新たにいたしました。
内覧会のあ とは近くのホテルで懇親会が開かれました。奈良県知事代理や奈良市長、畏友・津山恭之・奈良副市長、斎藤能彦先生ら奈良医大の教授陣・京都府立医大の教授陣はじめ奈良エリアの主だった方々が出席される大きな会でした。この市立奈良病院が自治医大や京都府立医大・奈良県立医大のコラボレーションでできたことも理解でき立派なことと思いました。市立奈良病院院長の二階堂雄次先生の熱いお話が印象に残りました。
さらに昔天理病院時代にお世話になった先生方や東大寺学園の同窓の先生方とも話ができ懐かしいひとときでした。故郷のありがたさと、そこでお役に立てる立派な仕事をしなければという責任を感じた一日でした。
平成26年7月19日
米田正始
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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