狭心症の中にはあまり待てないタイプのものがよくあります。
心筋梗塞になってからでも助ける手はあるのですが、やはりそうなるまでに治してしまうのが一番です。
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その患者さんの状況によってお迎えに行き、こちらへ転院し直ちに手術ということもありますし、少し待てる場合は1-2日状態を整えてから手術ということもあります。たとえば血栓予防の強いお薬を飲まれている状況のとき、少し待てる余裕があるなら、その間に薬の効きが落ち、出血もそれだけ減ることがあります。
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その患者さんの状態に合わせたオーダーメイドな治療をモットーにしています。
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病院によっては、というより立派な病院ほどこうした柔軟な対応ができないことがよくあります。今日は手術日ではないからダメとか、緊急だから受け付けるが今、長い時間のかかる手術をやってるからそれが終わってからね(つまり翌日になる)など、つらい想い出が昔ありました。
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いつでも必要な手術や治療ができる、こうした当然のことが今後も当然できるように努力したく思います。ちなみに北米や豪州の大学病院ではこれがきちんとできていました。さすが先進国と今でも思います。
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下記は準緊急で冠動脈バイパス手術をオフポンプで行い、まもなくお元気になられた患者さんのご家族からのお手紙です。
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もともと九州の患者さんのご友人で、その方からのご紹介で緊急連絡して来られました。
ただちにその方がおられる病院へお迎えに行き、まもなく手術で一命をとりとめました。
これから元気に楽しい毎日を送って頂ければ幸いです。
また外来で元気なお顔を見せてください。
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**********患者さんのご家族からのお手紙**********
米田正始先生
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拝啓
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薄暑の候、先生におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は私の母の人生・生活をお助け頂き本当に有り難うございました。
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日頃は別々に暮らしており気付かなかったのですが、胸の苦しさが一週間前から時おりあったようです。
救急車で搬送後、即手術が必要と言われた時、**様から聞いていた米田先生のことがすぐに頭をよぎりました。
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ご連絡の翌日には、病院のスタッフの方を連れて母の入院先まで迎えに来てくださったこと、又その翌日には朝から手術をして頂き、無事に終わりましたとのお言葉に安堵と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
本当になんと御礼を申し上げて良いのやら、只々「命をお助け頂き有り難うございました」と繰り返さずにいられません。
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米田先生への恩返しは何も出来ませんが、感謝の気持ちをお伝え致したく心の底より御礼を申し上げます。
退院後は自宅近くのスーパーまで休憩しながら一人で買い物に行けるようになりました。
まだ体力は以前まで戻りませんが息苦しさもなく心臓の調子は良いようです。
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退院当日は米田先生渡米にて、ご挨拶も致しませず申し訳ございませんでした。ご無礼何卒お許し下さいませ。
*月*日検診にお伺い致しますのでどうぞよろしくお願い致します。
末筆ながら先生のご多幸と益々のご発展をお祈り申し上げます。
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敬具
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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