いい心臓・いい人生 【第112号】 関西胸部外科学会に行って参りました

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いい心臓・いい人生 【第112号】 関西胸部外科学会に行って参りました
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発行:心臓外科手術情報WEB
http://www.shinzougekashujutsu.com
編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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梅雨明けが間近と思ったらまた雨が降り、不順な天候が続きますが皆様、いかが
お過ごしでしょうか。

6月18日の北大阪での地震ではお見舞いメールなどを多数いただきありがとう
ございました。私のいる医誠会病院は無傷で何ら問題ありませんでした。
ホントに地震があったの?というほど無傷でした。頑丈な建物で幸いでした。
当日は通勤電車が止まり、病院に着いたのは午後5時ごろで関係の皆様には
ご迷惑をおかけし申し訳なく思っております。

病院にも自宅(京都)にも全然影響なかったため、6月21日から22日まで、
関西胸部外科学会に行って参りました。
伝統ある学会で今年も西日本ほぼ全域から心臓外科医や胸部外科医が集まり
ました。
1日目には若手のアワードつまり優秀発表に賞を授与し、未来の胸部外科医を
育てるセッションが多数行われました。私はその一つで座長と審査員を務め
させて頂きました。
左室破裂や左室形成術がらみの発表が多く、皆さん力作の発表ばかりで優劣を
つけるのを申し訳なく思いました。発表した若い先生方が、こうしたイベント
をきっかけに将来大展開して下さることを祈りながら座長をいたしました。

会長の横井香平先生の講演、「行き当たりばったりの我が呼吸器外科診療」は
真摯に呼吸器外科の道を極めてこられた先生ならではの素晴らしいご講演でし
た。当時の常識では治せない末期に近い癌を工夫に工夫を重ねて直す、どこか
重症心不全への心臓外科治療を思い出させる内容は心を打つものがありました。
海外でしたら皆、立ち上がって拍手したことでしょう。

私は学会2日目の二尖弁に対する弁形成術のパネルディスカッションで発表しま
した。大動脈弁形成術はこの10年間に長足の進歩を遂げた領域で、エキスパート
の手ならばかなり高い確率で弁形成ができるようになりました。その余勢を
かって、私はMICSで大動脈弁形成術を行っており、成果を発表いたしました。
大動脈弁形成術をMICSでやっている病院はまだほとんどなく、ちょっと異端の
ような気がしましたが、皆さんと前向きなディスカッションができたこと、大変
うれしく思いました。

これから多数の若い先生方が張り切って仕事できる一助になればとも思いました。
後で建設的なご質問をいただき、それなりに貢献できたのであれば幸いです。

その他、皆さんと賑やかに勉強できた楽しい2日間でした。
留守を守って下さった医誠会病院の皆様に感謝申し上げます。

平成30年6月29日
医誠会病院心臓血管外科スーパーバイザー
心臓血管外科専門医・指導医
米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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