⬛️ 心不全パンデミックと言われる時代です。
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心不全が高度になり、もはや心移植しか道がないと言われる患者さんが増えています。パンデミックというのは心不全が蔓延するという意味です。
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無事にドナー心が手に入り、無事移植を受けられた患者さんは一安心かと思いますが、現在のドナー心は数が絶対的に不足しており、治療法としてはまだまだなのです。
かといって補助循環(人工心臓)で移植までを持たせるというのもかなりの苦労や無理があります。しかもこれにかかる医療費は天文学的で現在日本の国民皆保険制度を守る上で大きな重荷になっています。将来、若手労働人口がさらに減るとこうした莫大なお金のかかる治療法がどうなるか、不安が残ります。
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さらに医学的に心臓そのものは心移植の適応と判定されても、同居のご家族がおられないとか、糖尿病はじめ他病があるとか、太り過ぎとか、さまざまな社会的理由、全身的理由で心移植も補助循環も保険が降りないというケースが世の中には多いのです。
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⬛️ そうした方々にはもう看取りしかないのでしょうか?
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私たちはこれまでこうした患者さんがご縁あって外来へ来られるなかで、私たちの手術で治せると判断した方々の手術治療を行なってまいりました。
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たとえば最近記憶に強く残った患者さんで:
患者さん1:拡張型心筋症DCMで機能性僧帽弁閉鎖不全症の患者さん
有名な病院で不治の病、看取り扱いつまりギブアップ状態になっておられました。
患者さん2:急性大動脈解離の術後に虚血性心筋症になった患者さん
大学病院でやはり不治の病、薬以外は治療法なしの状態になっておられました。
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しかしいずれの患者さんも、新しい左室形成術と僧帽弁形成術(デュアル形成術)で元気に仕事復帰しておられます。→→デュアル形成をもっと知る
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⬛️ 新しい治療法は
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新しい左室形成術とくにデュアル形成はまだできる病院が限られているため、ガイドラインにも載っておらず、知るひとぞ知る治療法になっているのです。
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拡張型心筋症や虚血性心筋症、あるいは機能性僧帽弁閉鎖不全症や虚血性僧帽弁閉鎖不全症のために心不全でお困りの方やもう打つ手なしと言われた方でも、ただ諦めるのではなく、一度はご相談ください。
なかでも心不全のために入院・退院を繰り返している方は特に注意が必要です。次の入院の時に、あるいはその直前にいのちを落とす恐れがあり、そうなってからでは取り返しがつきません。。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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